ホワイトハウスで新型コロナウイルス関連の演説を行ったバイデン大統領はプーチン大統領から提案された対話に応じるかについて質問を受けた。これに対しバイデン大統領は記者の方を振り返ることなく、カマラ・ハリス副大統領に伴われて演説の場を立ち去った。
国務省のジャリナ・ポーター報道官は18日、ロシアとの関係についてコメントした中で安定した関係醸成に期待すると発言した。
ロシアと我々の関係は依然としてチャレンジングであるが、我々はその用意ができている。我々の目的は関係を予見可能で将来的に安定したものとすることである……ロシアの振る舞いを直近の2カ月間にわたって検討してきたが、2国間においては競合的な分野やエレメントも当然ながら現れてくる。我々はそれを恐れはしない。
ポーター報道官によると、米国はロシアとの建設的な協力関係を構築する上であらゆる可能性を利用するほか、「度を超すような」ロシアの振る舞いについてはパートナー国や同盟国と協議するという。
一方、2024年大統領選への出馬を検討しているマイク・ポンペオ元国務長官はFoxニュースの取材に応じた中で、バイデン氏がプーチン大統領を「人殺し」と評価したことについて単なる「侮辱」と扱った。
米国第一主義で考え、自分の発言をレトリックや侮辱ではなく実際の行為で裏付けるのであれば、成功のチャンスはもっと増えるだろう。
また、プーチン大統領を「人殺し」としたバイデン大統領に賛成するかとの質問については、ソ連のKGBに勤務した過去の経歴を踏まえれば、「言わずもがな」とコメントした。
欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表はイタリアのルイージ・ディ・ マイオ外相とローマで会談した際、ロシアでこれまで殺害されたジャーナリストや政治家、およびウクライナ危機について言及した中で、「ロシア連邦大統領はロシアによるこうした行動について責任を負っている」と指摘した。プーチン大統領を「人殺し」と呼ぶことについては肯定も否定もしなかった。
バイデン氏はABCニュースのインタビューで、ロシアが米大統領選挙への介入を試みたとされることに対してロシア指導部は「代償を払う」ことになると述べた。またバイデン氏は、プーチン大統領は「人殺し」だと思うかとの質問に、「そう思う」と答えた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は、この発言について、バイデン氏はロシアとの関係改善を望んでいないことを示したとし、露米関係の歴史においてかつてこのような発言はなかったと指摘し、ロシア大統領府は今後、米国との関係においてこれに立脚するとの考えを表した。