セックスのないオリンピック 選手村では「母国に持ち帰っていただく」ためのコンドームが配布される

7月23日に開幕する東京五輪は、特別なオリンピックとなる。外国からの観客はおらず、マスク着用と新型コロナウイルス検査の義務化、バブル方式に基づく選手村での生活など、東京大会はいつもとは違うものになる。しかし、ひとつだけ変わらないものがある。それは大会主催者が何があっても15万個以上のコンドームを配布することだ。
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選手の健康への配慮か、「濃厚接触を助長する」か?

日本では新型コロナウイルスの第4波が発生し、一部の都道府県では緊急事態宣言が発出されているにもかかわらず、東京五輪は開催されるとみられている。パンデミックのせいでオリンピックの特性の多くが放棄されることになったが、1つだけ変わらないものがある。主催者は当初の計画通り、選手村のアスリートに約16万個のコンドームを配布することを決定した。

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HIV(ヒト免疫不全ウイルス)予防のため、オリンピック村に滞在する選手にコンドームを無料で提供するという伝統は、1988年のソウルオリンピックから続いている。配布については、国際オリンピック委員会(IOC)や国連が主導している事に加え、説明できる資料がある。

統計が示しているように、五輪開催中における選手の性行為はどんどん増えている。

2000年のシドニー五輪では、7万個のコンドームが需要に応じてすべての代表団に配られたが、それだけでは足りず、さらに2万個を緊急に集める必要があった。2004年のアテネ五輪では、コンドームの数は13万個に増加した。北京五輪(2008年)では10万個に減少したものの、ロンドン五輪(2012年)では増加に転じ、コンドームの配布数は15万個に達した。

リオ五輪(2016年)では、主催者は男性用コンドームが35万個、女性用コンドーム10万個、潤滑剤17万5000個が用意された。

日本は、この配布計画の基準を守っている。ソーシャルディスタンスが必要とされているにもかかわらず、東京五輪では国内メーカー4社が約4万個ずつ、合計約16万個のコンドームを提供する予定だ。

多くの人がパンデミックの中でオリンピックを開催することは大丈夫なのかという疑問がある中、選手が裸になることを奨励し、「濃厚接触を助長する」ことは、不必要なリスクを増やすことになる。


今後へのコミットメント?

しかし、東京オリンピック大会組織委員会は、コンドームの配布は社会的距離のプロトコルに完全に適合していると主張している。また、組織委員会は、アスリートは選手村に滞在中、コンドームを使用しないように提案している。

「自らの責任をきちんと果たして頂きたい!」 なぜ、選手たちがオリンピック開催に関する決定を下さねばならないのか?
組織委員会は、「選手村で使うというものではなく、母国に持ち帰っていただき啓発にご協力いただくという趣旨・目的のもの」と説明している。

言い換えれば、東京オリンピックで配布されるコンドームは、選手が日本での大会に出場した時の記念品として、帰国後に楽しんでもらうためのものなのだ。

大会組織委員会は、具体的な配布方法を検討中としており、大会終了後、アスリートが選手村を離れるまで配布しない可能性を示唆している。しかし、主催者側が帰国するまでに選手にセックスしてほしくないと考えているのであれば、なぜ帰国前の日本滞在中にコンドームを渡す必要があるのだろうか?この点について組織委員会は、HIVの危険性に対する認識を高めるためのプラットフォームとして大会を利用するというIOCの目的に言及している。

「IOC(国際オリンピック委員会)がその撲滅のための啓発活動の一環として行っている」と話した。2004年からは国連とも連携した取り組みになっているという。

組織委は「IOCからは引き続き実施するよう求められている」としたうえで「東京大会においては、こうした趣旨・目的を踏まえながら、配布方法等について現在検討中です」と話している。


「ますますオリンピックが嫌いになりました」

とはいえ、ネットユーザーの多くがこの決定に憤慨し、不満と無理解をコメントで率直に表明している。

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「では、各選手に帰国時に百個単位で渡したら?言ってることとやってることが違う!そんなの用意するから夜の乱れたオリンピックが開催される。感染拡大防止のためソーシャルディスタンスではないのか?密の温床。」

「意味がわからないよね。普通に考えて冷めるし、何のためのオリンピックなのか?YouTubeでこの話を知りまぁ嘘だろうと思っていたら本当だったなんて。別に行為は悪くないですよ、でも、なぜにオリンピックの期間にやるのか。それを助長するのか。ますますオリンピックが嫌いになりました。」

「恥ずかしくないのかな?私だったら、恥ずかしくてこんな言い訳できない。必要なら、自国で買うお金くらいある人たちなんじゃない?わざわざ時間かけて配布方法検討するくらいならさ。」

「『IOCからは引き続き実施するよう求められている』全てにおいてIOCの言いなりということが伺えるコメントだな!オリンピックが閉会した後、感染が爆発的に拡大するのは間違いないが、IOCは一切日本に関わってこないことをわかった上での言いなりなのか?だとすると、救いようのないバカな国だ!」

またネットユーザーは、子どもを含めた一般市民は感染対策のために不便を我慢したり、通常の生活を諦めたりしなければならないのに、オリンピックに参加する選手は、予防対策を無視する可能性があると指摘している。

「今日、子供の学校で東京都からお知らせがきたそうで、教室に掲示されたそうです。放課後友達の家に遊びに行ったらいけないとか、同じ空間でおしゃべりしちゃいけないとか、給食の黙食のさらなる注意とか。子供の今の人生を我慢させてるなか大人はなにやってるんですか。本当にいい加減にしてくださいよ!」

「近くの小学校では体操服の子達がマスクをしていました。悲しいニュースを先ほど見かけたこともありエビデンスあるない問わず正直心配ですが。でも選手たちはフェイスシールドやマスクをすることなく競技し、公式にコンドームを渡されるんですね。本当にここまで応援どころか嫌悪感しかもてないオリンピックって生まれて初めてです。」

パンデミックの影響を受けた人々への支援など、よりニーズのある事柄に追加予算を割り当てればいいのにとコメントするユーザーもいる。

「てかそもそも配る必要がないと思う。余計な経費。」

「そんなことに一円たりとも金をかけないでほしい。もうオンラインで勝手に走ったり飛んだり泳いだり、好きにしたらええですよ。スポーツをする状況ではないと思います。」

オリンピック開催や、国が国民の面倒を見るかどうかという点は関係なく、HIVの予防や貧困国への支援は行われるべきだと投稿するネットユーザーもいる。

「オリンピック時にこだわらず、必要な国や、地域に配れば良いことでは?」

「だったら郵送で送ればいいじゃんw。そもそもなんで日本が他国のHIVを今のこの時期に懸念する必要があるんだ?」

「オリンピックとどういう関係があるのでしょうか。どうしても渡したいのなら帰りの搭乗口で渡してください。国内で絶対使わせないようにしてください。そのくらいの工夫はできますよね。」


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