木村優衣さんはどんな人?
聖火リレーコースになっている川越で、蔵造りの町並みを走るのが木村優衣さん。木村さんは生まれも育ちも川越。小江戸川越の中心地にある「蔵の宿 桝屋(ますや)」というめずらしい場所で母親と一緒に暮らしている。「桝屋」は今年で築128年となる明治時代の蔵を活用し、2019年にオープンした宿だ。伝統的な蔵に宿泊することのできる埼玉県で唯一の施設であり、建物は川越市から景観重要建造物に指定されている。
木村さん自身にとってもオリンピックは特別な意味を持っている。それは昨年7月に右膝の古傷の手術を受け、一心にリハビリと練習を重ね、聖火を手に地元を走り抜ける日を心持ちにしてきたからだ。
選手のためのオリンピックだと考えると、やはり、観客は入れてほしいですし、オリンピックも開催してほしいと思っています。ただ、もちろん、開催する地域の人たちの気持ちも優先されるべきなので、折り合いをつけながら開催してほしいという気持ちが強いです。」
「トライ&エラーが今の日本に一番必要」 日本人へのメッセージ
スプートニクの記者は、世界83か国を訪れた経験が木村さんの人生観をどう変えたのか、その経験からどんなことを日本人に伝えたいかを尋ねた。
木村さん:「日本人に一番言いたいのは、行ってみて、自分で見てジャッジ(判断)した方がいいよということです。ほとんど世界中を回ったのですが、例えば、私がロシアやアフリカやブラジルに行くとき、必ず最初に言われるのは『危険だよ』、『行かない方がいい』です。けれど、その人は行ったことないんですよ。分からないで、イメージがすごく強いから、友だちや周りに行った人もいないから(そのように言う)。とてもコンサバティブなマインド(保守的な考え方)なんです。
木村さんによると、旅を始めたのは19歳とかなり遅く、最初の旅で大きな「カルチャーショック」を受けたという。そのとき「どうして海外で日本の常識が非常識と言われたりするのか」が理解できたそうだ。
木村さん:「日本人は何事も、失敗しないように、転ばないように、先に調べたり、リスクヘッジをすごく固めてから行動することが多い。ワクチンもそうですよね。周りの国をじっくり見てから行動したことは、いい面もありますけど、遅いんですよね。そうじゃなくて、トライ&エラーが今の日本に一番必要じゃないかなと思います。」