プーチン大統領は後継者問題について質問を受けた中で、憲法の規定により次期大統領選に立候補する権利があるとしたうえで、次のようにコメントした。
こうした質問には答えようとは思いません。これが私の伝統的な答えです。次の選挙まではまだ実に多くの時間があります。このテーマについて話をすることは状況を不安定化させます。状況は安定し、平穏である必要があります。それによって権力機関、国家機構は確実に機能し、未来を見据えることができるのです。確かに、憲法により私はこれを行うことができますし、次期大統領選に立候補できますが、この点については現時点で如何なる決定も下していません。
取材の中では服役中のナワリヌイ氏についても質問があった。これに対し、プーチン大統領はナワリヌイ氏の名前を口にすることなく、次のように答えた。
あなたが言及した市民は今、自由を剥奪される場所にいます。 私たちは、いかなる人物にも特別な条件を用意することはしません。それは政治活動の真似をしている人物も含みます。
米国、英国、オーストラリアが結成した軍事同盟AUKUSについて質問を受けると、地域の安定を損なうものとして批判した。
(AUKUSの結成は)地域の安定を確実に損ないます。私の考えでは、身内で友好を築くのは良いことですが、誰かを敵にして友好を築くことは褒められたものではありません。これは安定を損なうものです。
また、暗号資産によるエネルギー資産の取引を行う能性について質問を受けると、暗号資産の価値は如何なる機関によっても保証されていないことを理由に、時期尚早との見方を示した。
この事について話すのはまだ時期尚早です。というのも暗号資産は決済手段の1つにはなりえますが、極めて不安定です。1つの場所から別の場所へ資金を移す上では有効ですが、取引、しかもエネルギー資源の取引となると、私の考えでは時期尚早といえます。
またドルについての質問を受けた中でプーチン大統領はドルによる決済から完全に撤退することは検討していないものの、米国政府がドルを制裁措置の手段として使用していることに懸念を表明し、「自らが止まる枝を切り落とす行為に等しい」と揶揄した。プーチン大統領によると、ドルによる決済額は世界的に減少しているほか、個人が保有するドルの総額も同じ傾向にあるという。そのうえで、最終的には自国通貨による決済を目指す方針を示した。
CNBCテレビによる取材の内容はロシア大統領府の公式サイトに掲載されている。
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