プーチン大統領は3月23日、ロシアは非友好国へのガス供給の決済をルーブル建てに移行すると宣言し、EUや米国へロシア産の商品を輸出しても相手国の通貨で支払われるのであれば意味をなさないと明言した。一方でプーチン大統領は、ロシアはガス供給契約に明記された量と価格はそのまま維持するが、それはロシアが自国の評判を大事にしているからだと説明している。
同氏によると、ドイツ経済にとってロシア産の天然ガス供給を中断することは、感知できる問題になりうるという。
そのような展開になれば、国家は保険機能を強化し、企業を支援し、短期雇用給付で失業を防ぐ必要がある。しかし、これは我々がドルで支払わないのであればロシアは天然ガスの供給を拒否するというわけではないようだ。
同氏によると、ドイツは他の欧州諸国の輸入ターミナルを経由して液化天然ガスを購入しなければならず、これはより多くの労力を必要とし、いずれにせよ価格の上昇につながる。ロシア産天然ガスの供給をすべて代替させることはできず、だからこそ天然ガスを石炭や原子力に置き換えて天然ガスの割合を抑え、エネルギー効率を高める措置をとることが重要であるという。
グリム氏は、ロシアからのエネルギー供給を段階的に止めていく中で、ドイツのインフレ率は上昇し続け、「景気後退は否定できない」とみている。現在の状況は、すでにドイツの食糧危機につながっていると同氏は結論づけている。
天然ガス価格の高騰は、肥料(天然ガスは肥料製造の重要な原料)のコストを上げ、肥料不足を招いている。また、2022年はロシアとウクライナからの農作物の輸出はない。先進国にとっては食料価格の上昇を意味し、途上国にとっては飢餓につながる恐れがある。今、我々が目の当たりにしているのは、この10年で3回目の大きな危機だ。
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