米フロリダ大学の研究者らは今回、アブラナ科の小さな植物であるシロイヌナズナを使って実験を行った。
シロイヌナズナは、植物の遺伝学や発生生物学の研究におけるモデル生物として広く利用されている。この植物は植物遺伝学において、マウスやショウジョウバエが動物遺伝学で担う役割を果たしてきたと考えられている。
研究者らは、4件のミッションで宇宙飛行士が月で採取した土壌サンプル(レゴリス)約12グラムを使用した。指ぬきサイズの小さな容器に月の土壌、種、水と栄養分をいれたところ、ほぼすべての種が芽を出したという。
この論文によると、月の土壌で「園芸」を行うことは難しいという。この土壌では植物の成長が遅く、多くの場合、形態的に著しいストレスが見られるからだ。研究者らは、月の土壌は、月の環境では植物の生育を助けるものとなるが、良質のベースではないと結論付けている。
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