コスプレへの興味の始まりは初音ミク
「そのキャラがとても気に入り、彼女についてインターネットでさまざまな情報を探し始めました。そのときに、そのイメージ―髪の色、ヘアスタイル、衣装、メイクなどを完全に再現するコスプレについて知ったのです。そして最初のコスプレを作ることにしました。最初のウィッグを作るため、畑の雑草抜きのバイトをしました。お金が足りなかったのです。コスプレをやり始めた頃は、母はわたしの趣味を真剣なものだとは考えておらず、すぐに飽きるだろうと思っていたようです。でも、時が経つにつれ、母はこれがわたしの人生にとってとても大切なことだと確信するようになっていきました。そして母はわたしを応援してくれました。わたしの最初のコスプレ衣装を作ってくれたのも母でした」
「ときどき、今、流行りのキャラクターにチャレンジしたり、フォロワーの依頼を受けたものを作ったりします。ですが、そのキャラクターにインスピレーションを感じなければ、無理にその衣装を作ることはできません。わたしが気に入っているのは、ヨル・フォージャー(スパイファミリー)、2B(ビデオゲーム「ニーア オートマタ」、マリー・ローズ(ビデオゲーム「デッドオアアライブ」)、ティファ・ロックハート(ビデオゲーム「ファイナルファンタジー」)などです」
もっとも難しいのは原神のキャラ。ではもっとも簡単なキャラは?
「コスプレは何よりクリエイティヴなものであり、キャラクターをいかに本物らしく作るかという競争ではありません。ですから、オリジナルにインスピレーションを感じて作りますが、衣装は独自でデザインしています。でも、難しければ難しいほど、面白いんです!わたしにとってコスプレでもっとも面白いのは、衣装を作ることです。コスプレのおかげで、裁縫がうまくなりました。1ヶ月に作る衣装の数ですが、どれほど難しいかにもよりますが、大体1〜2着です。1つ作るのに1ヶ月かかることもあれば、1週間でできてしまうこともあります。これまでで一番お金がかかったのは、ゴム製のコスプレです。わたしはゴムを素材にした衣装を作ることができないので、衣装全部をオーダーしなければならなかったからです。それ以外の場合は、出費は材料費だけで、あとは自分で全部作ります」
「あるとき、わたしたちは「ワールド・オブ・ウォークラフト」にインスピレーションを得たキャラクターの撮影を行いました。そのとき作ったのは、鎧(保護ベルト、スカート、夜のエルフ、腕用シールド、足用シールド)をつけた夜のエルフです。撮影場所には街の公園を選び、人の邪魔にならないように、人の少ない場所を見つけて、まだ人のいない早朝に行いました。そこにいたのはガードマンだけだったのですが、そのガードマンに撮影してはいけないと言われました。ガードマンは、わたしの衣装が水着だと言って、水着での撮影は禁止されていると言うのです。わたしが鎧を作るために費やした1ヶ月の苦労をまったく評価してくれなかったというわけです」