「日本がOPEC(石油輸出国機構)に産油量の引き上げを要請する可能性も除外できません。日本にはさまざまなタイプの燃料を使った火力発電所が400以上あります。そしてそこで、今でも電力のおよそ70%以上が生産されています。その主な燃料はLNG、石油、石炭で、LNGはその全体のおよそ70%を占めています。日本にLNGを供給している国は、オーストラリア、ブルネイ、中東諸国、ロシアなど少なくありません。近年は、日本のLNGの輸入全体のうち、ロシアからの供給が占める割合は8.8%ほどになっていますが、しかしサハリンは日本から最短距離にあります。岸田首相が「サハリン2」プロジェクトからの撤退を望まないと表明したのもこれが理由です。燃料費の要らない再生可能エネルギーの利用の増加に伴い、エネルギー企業は収益性が低くなってきた火力発電所の稼働を停止するようになっています」。
「しかし、日本は今、そのいくつかを稼働再開させる必要に迫られています。そして日本は再生可能エネルギーの進展に積極的に取り組んでおり、2050年までにカーボン・ニュートラルを達成すると宣言しています。並行して、節電技術の開発も進めています。原子力発電について言えば、日本には原子力規制委員会の安全検査を通過した原子力発電所が17ヶ所ありますが、地元政府の許可が得られないことから、4ヶ所しか稼働していません。これが日本の現実です。政府は地元政府との合意に基づいて決定を下しています。そしてほぼすべての問題をめぐって、世論を納得させなければなりません。これは節電についても同様です。日本人は、全体として、かなり規律正しいので、今、こうすることが必要であり、国民全員にとって、そして国全体にとって有益なことであると説得することになるでしょう」