岸田首相は英語で演説し、被爆地広島出身であることを繰り返し強調。「『核兵器のない世界』に向け、現実的な歩みを一歩ずつ進めていかなくてはならない」とし、「核リスク低減に取り組みつつ、5つの行動を基礎とする『ヒロシマ・アクション・プラン』に取り組んでいく」と表明した。
岸田首相は「まず、長崎を最後の被爆地にするべく、核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきであることを訴える」とし、「次に、核兵器国に対し、核戦力の透明性の向上を呼びかける。とりわけ、核兵器用核分裂性物質の生産状況に関する情報開示を求める」とした。
第3の行動として、岸田首相は、核兵器数削減に向けた米露間の対話を支持し、米中間での核軍縮・軍備管理に関する対話を後押しするとした。また、CTBT(包括的核実験禁止条約)の議論を呼び戻すべく、9月の国連総会に合わせ、CTBTフレンズ会合を首脳級で主催すると明らかにした。
第4の行動としては、IAEA(国際原子力機関)始め国際社会と協力し、原子力安全と共に原子力の平和的利用を促進していくとした。
さらに、第5の行動として、各国の指導者等による被爆地訪問の促進を通じ、被爆の実相に対する正確な認識を世界に広げていくとし、アントニオ・グテーレス国連事務総長が8月6日に広島を訪問することを歓迎すると述べた。
また、この中で、日本は国連に1000万ドルを拠出し、未来のリーダーのための基金を設立し、「未来のリーダーを日本に招き、被爆の実相に触れてもらう」と明らかにした。「核兵器のない世界」に向けた国際的な機運を高めるため、各国の現・元政治リーダーの関与も得ながら、「国際賢人会議」の第一回会合を11月23日に広島で開催することも発表した。
NHKの報道によると、岸田首相は演説の後「このスピーチを2023年の『G7広島サミット』につなげたい」と話した。
NPT再検討会議は、ニューヨーク国連本部で8月26日まで開催される。
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