全国霊感商法対策弁護士連絡会に所属し、旧統一教会被害者の救済にあたる弁護士の井筒大介氏は、今回の内閣改造について「組閣にあたり総理大臣から統一教会との関係を見直すよう指示があったことは一歩前進。今後、政府として統一教会問題に積極的に取り組んでもらえるよう期待したい」として、一定の評価をした。
また、内閣改造と同日に世界平和統一家庭連合・田中富広会長が行った記者会見について、井筒氏は「自らの一方的主張を述べることに終始しており、残念の一言」と話す。田中会長は、時間を超過して話し続けた会見の中で、「全国の教会に脅し」「信徒の子どもたちがいじめによる登校拒否」「人権侵害の被害に遭ってきた」「一部メディアは偏見をあおっている」等々、教団側が受けている被害について持論を展開した。
田中会長はまた、「共産主義問題に対して、明確に姿勢を持っている政治家の皆さんとは、共により良き国づくりに向かって手を合わせてきた」「(旧統一教会友好団体の)平和連合の方が、むしろ国政と関わっている度合いが大きい」と発言。その言葉にあったように、政治家の中には、世論の反発がこれほど大きくなった今に至っても、友好団体との関係をあえて問題視しない立場の人もいる。
8月4日付「AERA」のインタビューで、奥野信亮衆院議員(日本・世界平和議員連合懇談会会長代行)は、「旧統一教会とは無関係」「なぜ世界平和連合との関係を問題視しているか、私にはわからない」と繰り返し発言している。また8月5日、元衆院議員の清水誠一・北海道帯広市議は、旧統一教会の政治団体「国際勝共連合」と40年以上にわたって付き合いがあることを毎日新聞に対して明らかにした。同紙によれば、清水氏は勝共連合と縁を切るつもりはないという。
このような、開き直りとも取れる「問題なし派」議員に対して井筒氏は「政治家としての見識が問われている。深刻な消費者被害をもたらし、家族関係にも深刻な亀裂をもたらす活動を組織的に展開し続けている団体であることを改めて考え直していただきたい」と指摘。さらなる世論の形成も必要、と主張した。
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