「都合の悪い、騒然な問いが浮かびます。ウクライナ人は今冬、背後からの攻撃に備えるべきでしょうか。燃料価格や食料、生活費の高騰による紛争への(西側諸国の)世論の怒りは憂慮を凌駕し、パニックに近くなっている」
ティスダル氏はこのように述べ、ロシアがガスパイプラインの栓を閉めれば、欧州の団結は崩壊するだろうと指摘する。
ティスダル氏によると、米国は欧州連合(EU)諸国や英国とともにウクライナにおけるロシアに対する勝利を戦略的目標として掲げている。だが、北大西洋条約機構(NATO)が介入する姿勢をみせていないなか、勝利の現実性は不透明だという。
「ジョンソン英首相は、その大げさで熱狂的な発言とは裏腹に、米国の戦争を避ける姿勢を盾に身を隠している。マクロン仏大統領やショルツ独首相も同様だ。こうした一致をみるに、彼らはロシアを負かすという目標の達成可能性だけでなく、もはや妥当性さえ信じていないのではないかという疑いが生じる」
ティスダル氏は、こうした状況では紛争解決のいずれの選択肢も、ウクライナの現政権にとってネガティブなものとなると指摘する。今後、キエフは欧州からの停戦と和平対話を求める圧力に直面するという。なぜなら、それが「欧州の経済的痛み」を和らげるからだ。
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