アジア・アフリカ諸国、西側の「上から目線」を批判 国際安全保障モスクワ会議

16日、モスクワ郊外で開催中の国際軍事技術フォーラム「アルミヤ2022」の枠内で、第10回国際安全保障モスクワ会議が開催され、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相をはじめ、各国の防衛・国防大臣や、軍事関係者が参加した。ウクライナにおける特殊軍事作戦中の会議開催ということで注目が集まり、会場には南アフリカ、エチオピア、マリ、ウガンダ、チャドといったアフリカからの参加者が目立っていた。
この記事をSputnikで読む
プーチン大統領は会議に寄せたビデオメッセージの中で、ウクライナ問題を意図的に引き伸ばそうとしている、と米国を非難。ペロシ米下院議長が台湾を訪問したことについて、アジア太平洋地域の不安定化、カオス化を狙ったものであり、NATOのような軍事同盟をアジアにも作る試みの一環であると批判した。
ウクライナでの露特別軍事作戦
特殊軍事作戦の義勇兵志願者はどんな訓練をしている? チェチェンのロシア特殊部隊大学に潜入取材
ショイグ国防相は、ウクライナにおいてロシア軍が核兵器、生物兵器を使うという憶測が広がっているが、これらは米国がウクライナで軍事・生物学実験を行なっていたことから視線をそらすためのデマであり、事実ではないことを強調した。また、シリア代表団に対し、特殊軍事作戦への参加について感謝を述べた。
ペロシ米下院議長の台湾訪問には各国の登壇者から批判が集まった。中国の魏鳳和国防相はビデオメッセージの中で「米国が手を伸ばすところにいつも火が付く。アジア版NATOを作ろうと試みている」「台湾問題は我々の内政問題であり、干渉は許されない」と強く批判した。
ラオスのチャンサモーン・チャンニャラート副首相兼国防相は「ラオスは一つの中国を支持する」とし、国際社会のバランスを維持することの重要性を強調した。魏鳳和氏はまた、中国における貧困との戦いは人類の歴史の奇跡と言っても良いレベルであると、中国全土における経済発展について言及した。
「大きな問題」 ラブロフ露外相のアフリカ訪問の重要性について専門家に聞く
イラン軍参謀本部長代理のアリ・アブドラヒ氏は、西アジアの地域情勢について言及したほか、言われのない経済制裁を何十年にもわたって受け続けている、と米国の傲慢な姿勢を非難し、世界を変える必要性について強調した。
会場を訪れたエチオピア代表団の一人は軍事作戦開始後のロシアとの二国間関係について「何の問題もない。ロシアとは非常に友好的な関係を築いている」と話した。
関連ニュース
ロシアはウクライナで核・化学兵器を使用する計画を立てていない=露国防相
ロシアの演習「ボストーク2022」に中国軍が参加=中国国防部
コメント