中国とイランはナショナル・ブースを出展。イランのブースでは軍隊食(レーション)が紹介され、チキンケバブやポテトとミートボール、ドライフルーツのおやつなど、どれもなかなか美味しそうだ。ロシア軍のミリメシのお味はこちらの記事で詳しくレポートしている。
中国ブースの向かいには、香港の民間企業「XIAOCHEUNG」の展示があった。同社の服は、香港警察と消防に採用されている。担当者は「2019年からの香港のデモの影響で、防護性機能重視の制服のニーズが急速に高まった」と話す。ナイフで斬りつけられても刃を通さない肌着や、防火服など、様々な用途の特殊な服が最近外国への輸出を考え始め、世界各国の展示会に参加している。ヨーロッパで行われた展示会では、日本の商社との商談も行ったという。
香港警察採用の防護服
© Sputnik / Asuka Tokuyama
展示会にはロシア各地で学ぶ士官学校の学生も多数参加している。ロシア南部クラスノダールにある軍のパイロット養成大学で学ぶミハイル・ドツェンコさんは、日本で言うところの大学2年生にあたる。空軍士官学校の入試は、ペーパー試験の得点のほか、反応速度など身体能力審査が重視される。それも、身体に負荷をかけながら頭で課題を解くなど、同時並行で様々な能力を試す。また、本当に軍隊でやっていけるのか、心構えも審査の対象となる。身体を酷使する仕事だけに、健康状態が非常に良好であることは言うまでもない。パイロットは人気職業で、男女比は9対1の割合だ。
初めの2年間は飛行機を操縦して飛ぶというイメージをつかむことに重点がおかれ、座学で理論を学びつつフライトシミュレーターを使って訓練する。また、精神的に安定し強くなること、トラブルが起きても冷静に対処できる力を養う。教育課程は非常に細かいステップに分かれており、それらを5年半かけて全て身につけた者だけが卒業できる。「自分の祖国を守りたい。軍のパイロットになることは小さい頃からの夢でした」と話すドツェンコさん。来年から実際の飛行機での訓練が始まるのを心待ちにしている。
野外展示も充実している。敷地の中心には、ひときわ目をひく飛行機がある。最新鋭ステルス戦闘機スホイ57である。それと同じくらい人気撮影スポットとなっていたのは、青と白を基調にしたロシアの伝統工芸品「グジェリ」の模様に塗られた戦車だ。週末の一般公開日の会場には、ミサイルシステムや戦車、ヘリコプターなどを見学する家族連れの姿が目立った。
グジェリ模様の戦車
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