「メキシコより悪い」 反ロシア制裁で欧州は第三世界に

自らを「グリーン経済の原動力」と考えていた欧州は、完全に敗北した。反ロシア制裁の実施がまず自らへの打撃となり、欧州は「汚れた」石炭の使用に戻らざるを得なくなり、いわゆる「第三世界」の国のような立場に立たされた。フォーブス誌が報じた。
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同誌によると、欧州の株式市場は現在、他の西側諸国と比べ、最も困難な状況にあるという。2022年のはじめから22%下落し、米国におよそ0.1%の遅れをとっている。しかも英国やドイツなどの欧州諸国においても、インフレ率はメキシコより悪くなっているとフォーブス誌は指摘している。同誌は、このような大幅な下落の主な理由は、ロシアのエネルギー資源に対する制裁であり、それが商品価格の急激な上昇を生み、欧州経済に大きな打撃を与えたと強調している。
同誌によると、ロシア産の石油とガスに対する EU の禁止措置が、化石燃料を完全に放棄する時代をもたらすと考えている人がいるが、しかし、この見解は限りなく真実からかけ離れているという。ロシア産の天然ガスを拒否するために、EUは石炭に回帰し、欧州では家に明かりを灯すため、ますます多くの石炭を使用している。フォーブス誌は、欧州は現在、サウジアラビア産の石油を輸入しているが、同時にサウジは、自国用の石油をロシア産に切り替えていることを忘れていると指摘する。
ロシア産ガスの禁輸は、欧州経済を破壊する=ハンガリー首相
同誌は、ドイツがロシア産の石炭から南アフリカ産の石炭に輸入を切り替えたことを無意味なことと呼ぶが、結局のところ、このことは化石燃料の消費量になんら影響を与えない。米国の輸出業者も利益を逃すことはなかった。2022年5月、米国の欧州向け石炭輸出量は前年比140%以上増加し、10月までに米国の石炭出荷量はさらに増加すると予想されるが、そうでなければ、欧州は今後、冬場に暖を取ることができなくなる。
専門家によれば、ウクライナで停戦合意が成立するか、欧州が絶望的な冬を迎えるか、または制裁が緩和され、サプライチェーンが広がるか、それともEU以外のパートナーに商標を「張り替えた」ロシア製品を輸送するよう説得するかしか選択の余地はなくなるという。自らの反ロシア制裁を回避する方法を見出せば、欧州は再び投資にとって魅力的な対象になるだろうが、それまでは「西側経済の中での第三世界」にとどまることになるとフォーブス誌は結論付けている。
通信社「スプートニク」は以前、ロシア産の石油の輸入禁止措置が、2022 年 12 月に EU で効力が発効されることから、それを見越して、欧州ではロシア産エネルギーの購入が大幅に増加していると報じている。
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