コナシェンコフ中将によると、昨日からの1日間でウクライナ側から計17発の砲弾が発射された。そのうち4発がザポリージャ原発内の168個の核燃料が保存されている建物の屋根に着弾。また、別の9発がドライキャスクと呼ばれる使用済み核燃料保管施設から約30メートル離れた所に着弾した。この攻撃による原発周辺の放射線量の変化は確認されていないという。
砲弾はドニエプル川対岸のマールハネツィ居住区から発射されたものとみられている。また、露軍はこの衝突でウクライナ側の米製榴弾砲「M777」を破壊したとしている。
一方、ザポリージャ(ザポロジエ)州軍民管理局のウラジーミル・ロゴフ局長は同日、ウクライナ軍が送電線を切断したことで停止していた、原発からの電力供給が再開したと明らかにした。電力はウクライナ政権の支配地域、露軍によって解放された地域の双方に供給されているとしている。
ザポリージャ原発はウクライナ南部のドニエプル川左岸にある欧州最大級の原発。ロシアのウクライナにおける特殊軍事作戦の開始直後からロシア軍の統制下となっており、ドニエプル川を挟んでウクライナ側と対峙する最前線に位置している。ロシア国防省によると、原発は7~8月にかけて複数回にわたってウクライナ側からの砲撃を受けている。
ロシア側は一連のウクライナ側の原発への攻撃を「核惨事をもたらしかねない原子力テロ」と呼び、IAEAによる公平な調査と報告を求めている。一方でウクライナ側は攻撃を否定し、ロシア軍の統制下にある原発をロシア軍が自ら攻撃していると辻褄が合わない主張を展開している。
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