敵基地攻撃能力として「反撃能力」の保有を念頭に、長射程ミサイルの配備に重点が置かれている。また「イージス・システム搭載艦」の整備費を初めて明記し、2027年度の就役を目指すとしている。
今回の要求は過去最大の2022年度予算の5兆4千億円を上回り、6兆円台半ばを視野に入れるという。
防衛能力強化方針
岸田首相は8月10日に改造内閣を発足。新内閣が重点的に取り組んでいく事項のひとつとして岸田氏は防衛力の抜本的強化を掲げた。
岸田首相はこれより前、防衛力強化は次の8本の柱からなると述べた。「スタンドオフ防衛能力」「総合ミサイル防空能力」「無人アセット防衛能力」、宇宙・サイバーなどを対象とする「領域横断作戦能力」、情報戦への対応も見据えた「指揮統制・情報関連機能」、部隊を迅速に動かす「機動展開能力」、弾薬や燃料の確保を含む「持続性・強靭性」、装備品の開発強化を含む「防衛生産・技術基盤」の8項目。
日本政府は、アジア地域における安全保障環境の深刻化を背景に、防衛力強化の必要性を一貫して発信している。今年4月には与党・自民党グループから岸田首相に対し、防衛費をGDPの2パーセントまで引き上げる案が提出された。
同案では、敵基地の予防的破壊を認めることを可能にし、さらにその標的はミサイル基地のみならず司令部となることが盛り込まれている。防衛費をNATO加盟諸国と同じくGDPの2%まで引き上げ、5年以内に予算を確保することが提案されていた。
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