NATOの東方不拡大を約束した米国を信じたのがゴルバチョフ氏の過ち=米元政府高官

レーガン政権はソ連に北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大を約束していたものの、次の政権が前政権の約束を反故にできることを理解していなかったことがミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領の過ちである。レーガン政権期に財務相補佐官を務めたポール・ロバーツ氏がリアノーボスチ通信の取材に応じた中でコメントした。
この記事をSputnikで読む
ロバーツ元補佐官は取材に対し、次のように語った。

「ゴルバチョフの間違いはワシントンを理解していなかったことだ。米国の大統領は合意を締結しても、その後任者はそれを拒否できる。仮に文書が署名されたとしていても、もちろんそうした文書はないのだが、汚職まみれのクリントン政権はロシアとの国境にNATOが進出しないという合意は一度も存在したことがないと発言できた」

バイデン大統領がゴルバチョフ氏の死を受け哀悼の意を表す、「偉大な視野を持った人間」
ロバーツ氏によると、バイデン政権はクリントン政権が始めた新冷戦を拡大しているという。

「西側がロシアに仕掛け続ける攻撃的な政策にクレムリンが寛容さを示してることには驚く。クレムリン内で果たして誰がワシントンの言葉を信じるだろうか」

ロバーツ氏によると、レーガン政権で活躍したジェイムズ・ベーカー元国務長官はゴルバチョフ大統領に対し、ドイツの東西統合を許可すれば、NATOは東方に1インチたりとも進まないと約束していたという。米国の保守派やクリントン政権の元高官らはこうした発言を否定しているものの、そうした交渉があったことは確かであるとロバーツ氏は指摘している。
世界の首脳がゴルバチョフ元ソ連大統領の死を悼む、ロシア国内では複雑な見方
先にロシア国内外のメディアはミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領(91)の訃報を報じた。生前からの意向により、故人はノボデビチ墓地(露モスクワ市)に眠る妻ライサ・ゴルバチョワさんの隣に埋葬される模様。葬儀の日程は近く遺族が決定する。
コメント