中国民政部(省)が先に発表した報告書によると、中国で2021年に婚姻届けを提出したカップルは764万組で、過去最低を記録した。2003年以来初めて800万人を下回り、婚姻件数の公表が始まった1986年以来、最低水準となった。
中国国家衛生与計画生育委員会付属の中国人口学会常務理事会の会長を務める翟振武(Zhai Zhenwu)氏は、環球時報に、結婚を望む人は減少に向かう傾向が予想されると述べた。翟氏は、1980年代には「一人っ子政策」がやや緩和されたため、特に農村部で1985年から1990年に多くの子どもが生まれ、彼らは2010年から2014年に結婚適齢期に達したが、「その後、産児制限政策が再び強化され、1990年から出生数が減少し、2014年以降は国内の結婚適齢期人口が減った」と説明した。
翟氏はまた、過去10年間で全体的に大勢の人が、すでに結婚に適した年齢であっても、結婚を数年間先延ばしするようになり、これも婚姻件数の減少に影響を与えたと語った。
翟氏によると、結婚年齢の上昇は出生率の低下につながり、「三人っ子政策」に悪影響を及ぼす。
中国は現在、1970年代後半に導入された、都市部では1組の夫婦につき子どもは1人、農村部では第1子が女の子の場合は第2子の出産を認めるという「一人っ子政策」の結果として、男女比不均衡や人口高齢化などの深刻な人口問題に直面している。2016年には、すべての夫婦に2人目の子どもをもつことが認められたが、出産ブームは起こらず、その反対に出生率は年々低下した。2021年夏、全国人民代表大会常務委員会は、産児制限に違反した夫婦に対する罰金を廃止し、1組の夫婦が3 人目の子どもをもつことを容認する方針を盛り込んだ「人口・計画出産法」の改正案を可決した。
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