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火星の大気から酸素精製、有人探査にまた一歩前進=MIT

米名門・マサチューセッツ工科大学の研究チームなどが開発した装置「MOXIE」が、火星の大気から酸素を生成することに成功した。その生成量は小さい木に匹敵するという。科学誌「Science Advances」が伝えている。
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同誌によると、「MOXIE」は2021年2月、探査機に乗って火星に着陸。これまでに日中や夜、異なる季節といった様々な条件下で実験を行い、火星に大気の95%を占める二酸化炭素から、酸素を生成することに成功した。その生成量は1時間あたり約6グラムで、地球上で小さな木が放出する酸素量に匹敵するという。
MOXIE
気温が急変する夕暮れ時や明け方は生成に成功していないが、研究チームは今後、改良を重ねていきたいとしている。また、火星の春には大気濃度が上がり、二酸化炭素量が増えることから、春に集中的にMOXIEの出力増大を計画している。
火星探査をめぐっては、欧州宇宙機関(ESA)が7月、ウクライナ情勢を理由にロシアとの共同火星探査計画「ExoMars(エクソマーズ)」における協力の事実上の破棄を通告していた。
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