「保守党は存続し、その政策は続いていく。しかし、これは政策に重点を置かないという意味ではない。スナク氏が反対の立場を取ったのに対し、トラス氏は逆に、首相就任早々、減税を約束した。これは、党の方針と一致している。 しかし、これには国家予算や公的債務が増えるという問題を伴う。私は、トラス氏が経済危機や生活水準の低下に対処できる可能性は低いとみている。英国のEU離脱に対する取り組みについてだが、英国は1973年にEUに加盟し、10年間でEUの法制度を自国の法律に組み込むようにしてきた。そして今、英国は法改正に長い時間を要することになったのだ…」
「外交政策においてトラス氏は、2020年に『競争の時代におけるグローバルな英国』というタイトルで発表された包括的な防衛・外交・国際開発戦略に沿った行動を取るだろう。この報告書は、2030年までに英国政府が目指すべき重要な目標を定めたものだ。英国はEUとの間で、主に経済的な面で未だに緊張した関係が続いている。 英国は米国と特別な関係にあり、緊密な同盟国であると同時に、両国の間には摩擦もある。特に、議論を呼んでいるのは北アイルランド議定書だ。アイルランドにルーツを持つバイデン米大統領は、この議定書の変更に反対している。また、英国はインド太平洋地域におけるプレゼンスを本格的に転換する計画を立てている。これは英国の国家安全保障戦略によるものなのだ。一時期、英国のキャメロン元首相は中国との関係で『黄金時代』を目指していたが、米国が英国を冷遇し、英米は今、『新大西洋主義』の道を歩んでいる。英国はオーストラリアと米国とともに、反中国を掲げた『AUKUS』を創設した。また、英国政府は、英国・ポーランド・ウクライナが参加する独自の同盟関係の構築を始めている…」