同紙は、米財務省やホワイトハウスの経済顧問団が、欧州との貿易額は米国のGDPの1%未満であり、欧州の景気後退が米国に及ぼす影響は「穏やかでコントロール可能」であると予測しているという匿名の政府関係者の発言を引用している。
同紙では「ロシアが石油を世界に販売し続け、欧州へのガス輸出を減らすだけなら、米国経済への影響はおそらく最小限にとどまるだろう。実際、天然ガスを生産する米国企業の助けにすらなるかもしれない。また、国内の物価上昇圧力を抑えることで、世界的な需要を弱める可能性もある」述べられている。
経済学者のディーン・ベーカー氏は、40年ぶりの記録的なインフレを抑制しようとする米政権の試みについて言及しつつ、「欧州が不況に陥れば、当然、さまざまな商品の需要が減少する。今、我々は逆境にあり、それがプラスに働く可能性もある」と語った。
米国にとってより悪いシナリオとは、ロシアが石油の輸出を拒むことであり、欧米諸国が価格上限メカニズムを適用した場合に起こり得ることである。
同紙は「これは景気後退に追い込むだろう。ガソリン価格は一晩で急騰し、1ガロンあたり5ドルという記録的な高値にまで戻ってしまうのだ。1ガロン5ドルでは経済が回らなくなる」というムーディーズ・アナリティクスの経済学者マーク・ザンディ氏の言葉を引用している。
イエレン米財務長官は11日、欧州連合(EU)がロシア産石油の大部分を購入せず、海上輸送に関連するサービスの提供を停止した場合、冬に燃料価格が高騰するリスクがあることを認めた。米国とその同盟国は、価格制限を適用する当事者に対する制裁に例外を設けたいとしている。
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