安倍元首相の国葬に反対する学者などで構成される市民グループおよそ570人は先月、「政府による決定や実施には法的根拠がなく、国会の承認も得ていない。内閣が国会を無視して恣意的に権限を行使したもので憲法に違反する」と主張し、国葬や国費支出の中止を求める訴えを起こした。
東京地裁の岡田幸人裁判長は判決で「国葬の実施や国費の支出自体に弔意を強制する効果があるとはいえない」と指摘し、裁判として成立しないと判断し、法廷審理を行わずに訴えを退けた。
朝日新聞は10日と11日に実施した全国世論調査では、岸田内閣の支持率は41%で、前回8月の47%から続落。不支持率は前回39%から47%と半数近くに増え、発足以来、初めて不支持が支持を上回った。国葬に関しては賛成38%(前回41%)、反対56%(同50%)と賛成が減り、反対が増えた。反対と回答した人の内閣不支持率は67%だった。国葬についての首相の説明に「納得できる」は23%、「納得できない」は63%と大きく差が開いた。
スプートニク通信はこれより前、衆院議員雲煙委員会が8日に閉会中審査を開き、岸田首相が安倍元首相の国葬について説明したことを取り上げた。岸田首相は、安倍氏の最長首相在任期間や諸外国から弔意が表明されていることなどを上げ「国葬を執り行うことが適切であると判断した」と述べた。