ザ・トランペット誌は、ロシアが米ドルと手を切る動きが顕著になったのは、ロシアの約3000億ドル(43兆1000億円)の海外資産を米国とそのパートナー国が凍結してからだと指摘している。ロシアはまず、欧州にいるガスプロムのクライアントにルーブル建て決済への切り替えを迫った。ロシアは拒否した相手とは取引を中止。だが、新たな条件に応じたクライアントもいた。ザ・トランペット誌は、これが「被害を被ったロシアの通貨に命綱を投げた」ことになったと書いている。
ガスのルーブル建て決済への移行に応じた国の中にはトルコもある。またザ・トランペットは、インドネシアもロシアとの二国間貿易の決済をすべて自国通貨のルピアとルーブル建てにするため、すでに協議を開始しており、こうした行動が「世界的に広がり、ドルの影響力を弱める」恐れがあると強調している。なぜなら、ドルが世界の準備通貨だということが、長い間「米国経済の大動脈として機能し、国の膨大な赤字支出の財源となってきた」からだ。
ドル脱却は主要な燃料輸出国であるロシア、イラン、ベネズエラにとっては長年にわたる悲願だった。これらの国には、世界市場の米国による独占と国際金融の根強い慣行が妨げになっている。しかし、状況は着々と変化している。ザ・トランペット誌は、ロシアはドル建ての相互決済の拒否に焦点を当てており、中国や他の多くの国はその要求に同意していると指摘している。
ザ・トランペット誌は、この傾向は、特にロシア・中国のドル回避の動きに加わる欧州諸国が増えるとなるとこの先も続き、やがては「米国経済への影響は破滅的なものになる」と警告している。このシナリオを、実は1968年、当時のトランペット誌のハーバート・アームストロング編集長が「ドル安になれば、必ずインフレになり、最終的には米国の経済破綻につながる」と予言していた。
プーチン大統領は、第7回東方経済フォーラムで米ドルへの信用は失墜しており、米国の同盟国の中でもドル資産を減らし始めていると指摘していた。
関連ニュース