中国、台湾との再統一を達成するために「反国家分裂法」を使うと警告

中国の王毅外相は、第77回国連総会の場で米国のキッシンジャー元国務長官と会談し、台湾が「反国家分裂法」に違反した場合、中国当局は自国の主権および領土保全を守るために断固とした行動をとると述べた。サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が報じた。
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王氏は「中国には、『1インチの土地を失うより、1000人の兵士を失ったほうがよい』という古いことわざがある。中国国民はこれに強く同意している。『反国家分裂法』に違反する行為があった場合、中国は主権と領土保全を守るため、法に従って断固とした行動をとる」と警告した。
サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、2005年に採択された「反国家分裂法」は、台湾独立と中国本土からの完全な分離を掲げる勢力に対抗するために「非平和的」な手段を行使する権利を政府に与えている。
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王氏は、米国が台湾海峡で緊張を高めていると非難した。同氏は、台湾へ65億ドル(約9300億円)の軍事支援を行うことなどを盛り込んだ台湾政策法案が米国で可決されたことや、ペロシ米下院議長の訪台が、台湾当局を分離主義的活動へうながしていると述べた。王氏はまた、米国のバイデン米大統領が最近、中国が武力行使すれば米国が台湾を守ると述べたことについて、全く容認できないと強調した。
王氏はキッシンジャー氏との会談で「平和的な再統一の実現はわれわれの最大の願いであり、それを達成するためにできることはすべて行う。一方、『台湾独立』がとめどなく進めば進むほど、台湾問題が平和的に解決される可能性は低くなることを理解するべきだ」と述べた。
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一方、サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国はすべての問題を交渉のテーブルで解決する方針。王氏は、米国は国際法に基づいていない一方的な制裁をやめ、中国を排除している小さなブロックの形成に参加するのをやめるべきだと強調したという。
王氏は「中米協力が両国と全世界に多くの利益をもたらすことができることは歴史が証明しており、今後も証明するだろう。そのためには、米中関係の政治的基盤、特に『一つの中国』原則を支持する必要がある」と指摘し、米国の政治家や学者、ビジネスマンに対し、二国間関係の改善を支援するよう呼びかけた。王氏によると、これは米中両国の未来だけでなく、地球全体の平和と安定にとっても重要な意味を持っている。
米国は、バイデン大統領が中国と軍事衝突が起きた場合に米国は台湾を防衛すると発言するまで、「戦略的曖昧さ」を維持していた。
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