ガルージン大使は、「核戦争は容認しないというのが、ロシアの原則的立場である」と改めて指摘し、まさにロシアの主導のもと、今年1月3日に核保有5カ国の首脳による「核戦争の防止と軍拡競争回避に関する共同声明」が採択されたと説明した。
またガルージン大使は、ロシアが核兵器の使用に踏み切る法的に定められた条件についても言及し、ロシアとその同盟国に対して大量破壊兵器が使用された場合、あるいは、ロシアが攻撃を受けて国家の存続そのものが脅かされる場合のみ、使用することができると定められているとした。
ガルージン氏は、「今年2月27日、ロシア大統領がロシア軍抑止部隊を一時的に特別警戒体制に移すことを決定したことに関して、歪めた解釈がなされている」と指摘し、この決定は「核兵器を保有するNATO加盟国を含む西側諸国の極めて対立的な発言を背景に、ロシアは警戒を強めたことを意味している」と説明した。
ガルージン氏はまた、「日本政府やジャーナリストらは、武力紛争で最初に核弾頭を誰がどこで使用したのか、また、あらゆる種類の大量破壊兵器の使用経験を持つのはどこの大国なのか、忘れているかのような事実には驚かされる」と指摘した。
「周知の通り、安全保障政策において、他でもないアメリカの『核の傘』に頼り、その確かさと信頼性を常に気にしている日本から、ロシアに対する『核』に関する非難を聞くのは奇妙なことである」
日本の松野官房長官は22日の記者会見で、ウクライナ情勢をめぐり、核兵器が使用される可能性に懸念を表明した。松野氏は「核兵器が使用される可能性を深刻に懸念する。唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核兵器による威嚇も使用もあってはならない」と述べた。