1929年、米国の株式市場の信用失墜がウォール街の大暴落を引き起こし、これが世界恐慌の引き金となった。これと同様に、2008年の米国発の世界金融危機は、大不況と欧州債務危機を直接的に引き起こした。石油や天然ガスがドル建てで取引される今日、エネルギー価格の上昇は、世界経済のほぼ全体に影響を与え、インフレを引き起こしている。
FRBは、自国の金利を引き上げることでドルを高騰させ、国内のインフレを抑制しようとしている。これは米国人にとっては良いニュースだが、世界の他の国々にとってはそうではない。異常な米ドル高の中で他国の通貨が下落すると、その通貨は投資家にとって魅力的なものではなくなるからだ。このところユーロは、対ドルで過去20年間で最低の水準まで下落し、日本円も近年の最安値を更新している。同紙は、ポンドは対ドルで37年ぶりに1対1の平価まで下落する日が近いうちにやってくるかもしれないと指摘している。
米国以外の中央銀行は、自国の金利を上げることでドル高に対抗しようとする可能性があるが、これは短期的な措置に過ぎない。米国は自国の経済を守るためなら、他国の経済に悪影響が出ようが、あらゆる機会を利用するだろう。
したがって同紙は、世界は長期的には、国民経済を安定させるためにドル依存から脱却し、新たな相互決済のシステムに切り替える必要があると断言している。
ロシア、中国、インド、サウジアラビアなどでは、すでに米国通貨の代替としてルーブル、人民元、ルピーでの取引が一部で行われている。同紙によると、これが、米国の積極的な金融政策によって引き起こされた世界的なインフレを回避する唯一の方法であるという。
スプートニクは以前、ロシアと中国政府によるアンチ米ドル同盟について報じている。
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