ロシアの政治学者 ロシアは1990年代にNATOへの加盟を求めたが、加入できずに終わった

1990年代のロシアは、北大西洋条約機構(NATO)への加盟に努力を注いできたが、NATO加盟国の激しい反対に遭った。また、ビル・クリントン米大統領(当時)の政権内におけるロシアのロビー活動は、現在よりもさらに弱いものだった。ロシアの政治アナリストのボリス・メジュエフ氏が、スプートニクとの対談で、このように語った。そのため、ロシアのNATO加盟における現実的な見通しに関するクリントン氏の発言は、事実と通ずるものが全くないという。
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クリントン氏は、ロシア当局にNATOの特別パートナーとしての地位だけでなく、将来の共通のリスクに立ち向かうために力を合わせるためNATOへの加盟に関する見通しを提示し、NATOが東欧に進出したことで、東欧の危機を未然に防いだと主張している。しかし、メジュエフ氏はクリントン氏の主張に反論している。メジュエフ氏は、「ロシアにNATO加盟の見通しを提示したと言われているが、それはもちろん事実ではない。ロシアとNATOは基本文書に署名したが、当然ながら誰もロシアを同盟に招き入れることはなかった。ロシアのNATO加盟にむけた努力は何度も行われたが、(加盟国は)強い拒絶反応を示した。プーチン大統領がこの問題についてクリントン大統領(当時)に個人的に話したにも関わらずだ」と述べて いる。
メジュエフ氏によれば、1990年代、つまりクリントン大統領の時代、ロシアの政治エリートは、ユーラシア空間における欧米の優先的パートナーとしての地位を確立しようとしていたという。

「しかし、(ロシアは)中東問題におけるロシアの特別な立場、インドとの経済接触、イランに対する立場について大きな代償を払わなくてはならないことをすぐに理解した。つまり、ロシアは自分の考え(や立場)を忘れ、オーストラリアやカナダ、日本のように、米国の衛星になればいいということだ。これは心理的に難しく、ロシアはそのような立場を受け入れることができなかったのだろう」

メジュエフ氏は、NATOの東方拡大は平和維持という性質で行われるというクリントン氏の言葉は偽りであると指摘した。東方拡大はNATO側の直接的な軍拡であり、ユーゴスラビア解体の後でそれが特に明らかになった。そして、その次のNATOの犠牲者はロシアになるとみられていた。メジュエフ氏は、「ロシアが事態を収拾する唯一のチャンスは、非同盟国を国境に置くことで中立地帯という狭いゾーンを作ることだった」と語っている。
メジュエフ氏は、ロシアがイラクやリビア、ユーゴスラビアで、人々が生きる権利がNATOによって最も残忍で違法な方法で踏みにじられた運命を繰り返したくないと思うのは驚くべきことではないと指摘している。
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NATOがロシアを武力で包囲する政策を続けていることは、グルジアで実施された軍事演習「ノーブル・パートナー2022」が物語っている。日本は今年、この演習に初めて参加した。この演習の目的は、欧州からNATOの重装備の移送について訓練し、その習熟度を上げることにあった。
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