この4つの領土の市民らがロシア連邦への編入に賛成票を投じる中、タヘリディン氏は、「世界のすべての憲法および国連憲章において、主権は人民にあると規定されている」として、この住民投票の重要性を指摘している。
「もし住民が、どの国に所属するのかを選択したのであれば、これは聖なる言葉である。主権は人々の決定に基づくものであり、自らを民主主義者であると名乗る者はこのことを非常によく理解しているはずで、米国の外交的な表現では非常に無原則な言葉である」
タヘリディン氏は、今回の住民投票の結果を認めないとする米国の立場には反対の姿勢を示し、「米国の民主主義を普及する者たちというのは、現在、ウクライナにおける戦争、分裂、セクト、原理主義、ファシズムを宣伝する者である」とも付け加えている。しかし、この住民投票が、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャの住民たちの意思を反映するものであるということに加え、これはロシアが自らの歴史的領土を取り戻すものだという理由から、これは「歴史的な正義の行為」であるとタヘリディン氏は指摘する。
またタヘリディン氏は、1991年にソ連邦が解体し、かつてロシア帝国を構成していた国がそれぞれ独立した後、「米国はこれらの共和国のナショナリズムを促進する機会を利用した」とも指摘し、ウクライナで起きていることは、他でもないこうしたことであり、「ウクライナのファシズムとヨーロッパのファシズムは、スラブ民族、ロシア民族に対するジェノサイドを行っている」との見方を示している。
「人々はヨーロッパとNATOの脅威に晒されていることを非常によく認識している。人々は自らの地域の所属先を明確にする要求、そして正義およびファシズムとの戦いの歴史的なプロセスの一部であることを理解しているのである」
ベネズエラ人であるタヘリディン氏は、ベネズエラは、将来、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャとの間で外交関係、貿易関係を強化していくことができると楽観的な見方を示す。またベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、共和国の独立承認に関して、ウラジーミル・プーチン大統領を一番に支持した1人であった。
これより前、NATOのデビッド・ファン・ウィール事務次長は、NATOはウクライナでの紛争を防衛分野におけるハイテク技術導入の可能性を見極めるために利用しているとも述べていた。
ロシアのプーチン大統領は21日、国内で部分動員を実施する大統領令に署名した。プーチン大統領は演説の中で、特殊軍事作戦の戦線は「1000キロを超えている」と指摘した上で、ロシア連邦とルガンスクおよびドネツク両人民共和国の同盟部隊は、ウクライナのネオナチ組織だけでなく、事実上、ロシア連邦の存在そのものを脅かしている「西側集団のすべての戦争マシーン」と対峙していると指摘した。プーチン大統領はまた、ロシアの領土一体性と国民を守るために持っているすべての手段を使うと強調した。
プーチン大統領は2月21日、テレビで国民に演説した中で、ルガンスク人民共和国およびドネツク人民共和国の主権の即時承認が必要であるとし、それに関する大統領令に署名するとともに、両共和国における平和維持を保証するよう命じた。プーチン大統領はこうした決定を下した理由について、流血、暴力、無法の道に踏み出した人々はドンバスの紛争解決に軍事的な方法以外は認めないからだと説明している。両共和国の指導部からプーチン大統領に独立の承認要請が申し入れられた。
その後、プーチン大統領は国民向けの演説でドンバスにおける特殊作戦の実施を宣言し、ロシアの計画に入っているのはウクライナの占領ではなく、同国の軍事力の無効化とナチス化の阻止だと明言した。ロシア国防省は、ロシア軍はウクライナの民間施設には攻撃しておらず、標的にしているのは軍事インフラのみで、一般市民には脅威を与えていないと発表した。