もともと毎年行っていたイベントだが、コロナで自粛を余儀なくされ、3年ぶりの開催となった。主催者のひとりロシア古武道・沖縄空手連盟会長ワレリー・マイストロヴォイさんは「たくさんの外国のゲスト参加のもと、10種類以上の武道を紹介することができました。ステージ上の発表を見るだけではなく、今回は体験タイムを設け参加型にしたことで、より面白くなったと思います」と話した。
空手指導者アレクセイ・ツヴェトコフさんの教え子は、2歳から65歳まで約50人が参加。「小さい子が何時間もじっと座っているのは本当に大変なので、よく頑張りました。空手の稽古だけでなく、他の人を見て自分の手本にしたり、文化について話したりすることは心の成長につながります」と、成長ぶりを評価した。
柔術連盟会長のヴィタリー・アルハンゲリスキーさんは、「今日の弟子の演舞は5点中4点」と辛口評価だ。「日本武道は厳しく指導するべきものですし、保守的です。私の指導も古来あるべき姿から決して逸脱しません」と話す。柔術を習いにくるロシア人は、主に成人男性。柔術は、柔術そのものに対する深い理解のほか、歴史的な認識や、武器の扱いなどが要求される。そのため、アルハンゲリスキーさんのもとには、柔術をやりたいという強固な意志をもった人のみが集まってくる。
最近人気を集めているのが、ブラジル発祥で、格闘技・音楽・ダンスが融合した「カポエイラ」だ。モスクワ・カポエイラ連盟の会長アレクサンドル・ポサドネフさんによると、カポエイラはアクロバット的で音楽的な要素があることから、女の子にとても人気があるという。「空手は自分自身の鍛錬、自らとの会話を通して自分自身を高めるものですが、カポエイラは自由な思考と自由な身体、特に足の動きが特徴的です。カポエイラをやったことで他の種類の武道へ興味がわく人も多い」という。
マイストロヴォイさんは長くロシアと沖縄の関係に貢献したウチナー民間大使として日本への招聘を受けており、渡航を検討中だ。「今は大変難しい時代で、私たちも世界政治、世界情勢と無関係ではいられません。大事なのは、それぞれの人が自分の場所で自分のやるべき仕事をすることだと思います」と話している。
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