ロシアとの関係悪化の道に向かい進む日本=専門家の見解

ロシア領内でスパイ活動を行っていたとされる日本人外交官の拘束と国外退去に対して、日本側が、ロシアからの謝罪を求め、厳しい態度をとっていることについて、ロシアの専門家らは驚きを隠せない。
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ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所、日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、かつて、日本政府はこのような態度を見せることは不可能であったと指摘し、次のように述べている。
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「ウラジオストクに駐在する日本の領事官がスパイ活動をしていたとして拘束されたことによる露日間の外交上の紛争は、現在これまでにないほど悪化している両国関係に、また新たな否定的要素を追加するものとなりました」。

キスタノフ氏は、ロシア国内で職員が拘束された日本外務省の反応について、前例がないほど厳しいものであったと評している。
日本は今年、ロシア政府に対する制裁として、8人の外交官を国外退去させ、またこれに対し同様の報復措置をロシアから受けたものの、以前の日本は、そのような態度を取ることはできなかったとキスタノフ氏は指摘している。

安倍氏の辞任で関係が悪化

キスタノフ氏によれば、露日関係が悪化し始めたのは、両国のパートナー関係構築のために多くのことを成し遂げた安倍晋三氏が首相の座を退いてからだという。しかし、平和条約締結とクリル諸島(北方四島)の地位に関する問題解決に対する日本側の期待が脆くも崩れ、ロシアがウクライナにおける特別軍事作戦を開始した後、日本はロシアとの関係悪化への方向に足を踏み出したとキスタノフ氏は言う。そしてその結果、日本はロシアに対し制裁を発動し、事実上、ロシアに対し経済戦争を布告したのである。これに対し、ロシア政府は対抗措置を取らざるを得なくなった。
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キスタノフ氏は、日本がこのような決定を下したもっとも大きなきっかけとなったのは、ロシアが日本との間で、平和条約交渉を完全に停止したことだろうと見ている。

利害、一致せず

一方、「ロシア日本協会」の専門家、オレグ・カザコフ氏も、安倍晋三が首相だった時代、露日関係は精力的に発展し、両国は協力の展望を感じていたと指摘する。しかし、実は、両国は異なる国益を求めていたことが分かったのである。
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カザコフ氏は、日本にとっての主要な目的は北方領土の返還であったのに対し、ロシアは極東での貿易経済関係の発展を目指していたと指摘する。
「しかし、残念ながら、安倍氏が持病により首相を辞任した後、その後任者たちは、ロシアとの肯定的な対話を維持に関心のない人々だったのです。そして日本では、日本にとってきわめて重要な問題である平和条約の締結問題を解決できなかったことによる一定の絶望感が生まれました」。
露日関係を悪化させたもう一つの要素は、日本が2月24日以降、G7加盟国による反ロシア的な政策を積極的に支持し、ロシアに対するあらゆる制裁に加わり、明らかに非友好的な政策を発揮したことだとカザコフ氏は言う。
これに対し、ロシアはまず日本を非友好国リストに含め、その後、平和条約の締結およびその他の協力を拒否した。とはいえ、カザコフ氏は、それでも、早かれ遅かれいつかは両国関係に肯定的な動きが見られるという希望を持ち続けることが必要だとの見方を示している。
その上でカザコフ氏は、そのために双方は、きわめて慎重な態度を取ることが必要であり、感情を抑え、相互尊敬の原則に従って、対話に向かわなければならないと締めくくっている。
岸田氏の首相就任直後、ロシア外務省が、ロシアに対するあらゆる最後通牒は、平和条約問題の解決の展望を遠ざけるものでしかないと述べたというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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