アラブ諸国はロシア編入を巡りバランスの取れた方法で対応する=専門家

アラブ諸国は、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ヘルソン、ザポロジエ(ザポリージャ)両州の4地域のロシアへの編入を巡り、バランスの取れた立場を示す。アラブ研究センターで、「政治的展望誌」の編集長であるハニ・スレイマン氏が語った。
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ロシア大統領府は30日、ドネツク、ルガンスク両人民共和国、ザポリージャ、ヘルソン両州の4地域を新たな構成体としてロシア連邦へ編入する協定の調印式を行った。調印式は首都モスクワのクレムリンで行われ、プーチン大統領と4地域の首長が編入に関する文書に署名。調印後に5人は手を取り合い、会場からは拍手と歓声があがった。
専門家によると、ロシアとアラブ諸国との強い関係の証拠は、ウクライナでの紛争に対するアラブ諸国側の立場であり、特に「米国の圧力に対するサウジアラビアの不服従」である。
スレイマン氏は「アラブ諸国は、米国との関係を考慮しているが、バランスを維持し、対話を求めようとして、一方または他方に引き寄せられることはない。一方、米国自体が同盟国との関係でバランスをとっていない」と述べた。
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同氏によると、米政権はイランに対して曖昧な姿勢を示し、ペルシャ湾岸諸国からの批判を引き起こしているため、現在、「米国は以前のような自信を持っていない」。
スレイマン氏は次のように語った。
「アラブ諸国は米国とロシアの両方との関係のバランスを維持しようとするだろう。アラブ諸国は確かにこのステップ(4地域のロシアへの編入)を批判したり拒否したりすることはないだろう。しかし、アラブ諸国は米国との関係を悪化させたくないため、積極的な反応も期待されるべきではない」
アラブ諸国による4地域のロシアへの編入の承認の問題は、時間的要因と政治的状況に依るという。
4地域のロシアへの編入に関する法的手続きは来週初めに完了する見込み。ロシア連邦議会は署名された条約を批准し、ロシアの新たな構成主体の形成に関する憲法を採択する必要がある。これらはすべて、連邦院(上院)が承認し大統領が署名することで効力が発生する。
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4地域を新たな構成体としてロシア連邦へ編入する協定の調印式が行われた30日、日本を含む主要7カ国(G7)の外相が連名で編入を認めないとする共同声明を発表した。米国や英国はこの日、新たな制裁を発動するなどして強く反発している。
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