金氏によると、このミサイルは2017年8月と9月に日本上空を飛行し、グアムを射程に収める「火星12」である可能性が非常に高いという。
「今回の発射は、米空母『ロナルド・レーガン』が釜山に寄港したことに関連する一連の短距離弾道ミサイル発射の延長線上にあるようだ。これは、朝鮮半島に配備されている米国の戦略兵器に対する不快感を表明するものであり、脅威を示すものでもある」
金氏は、北朝鮮は今回、射程距離を伸ばすために「火星12」を改良したものを発射したのではないかとみている。おそらく、大陸間弾道ミサイル「火星15」や「火星17」も、鋭角に打ち上げられてはおらず、少し短くなったとはいえ、実際の射程距離で発射実験が行われた可能性がある。大気圏への再突入技術についてもこういった発射実験で確認できるだろう。特に今日のロケットの打ち上げは、時間と射程距離から判断して、これまでの「火星12」の発射実験よりも早く行われた。
これよりも前、日本政府は、北朝鮮が今回発射したミサイルの飛行距離は約4600キロメートル、最大高度970キロメートル、速度はマッハ17だったと発表した。
金氏によると、北朝鮮政府は今後潜水艦からSLBM(北極星3号)を発射し、実際の射程距離で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を行う可能性があるという。
「今、双方(米国と北朝鮮政府)は、お互いを威嚇するために、兵器自慢と軍拡競争という愚かなゲームをしている。喜んでいる唯一の人間は(日本の)岸田首相で、朝から強硬な発言を行った。岸田氏にとっては評価を上げるチャンスなので、おそらくとても喜んでいるだろう」
同氏は、速度がマッハ17のミサイルに対する防衛システムの有用性は保証されていないと指摘している。
金氏は、「ミサイル防衛システムには様々な種類がある。例えば、米国本土にあるものは、一般的に飛行の最終段階にあるICBMを攻撃するように調整されており、速度がマッハ20を超える目標を攻撃するように設計されている。つまり、理論上はミサイルを発射時から追跡するのではなく、目標が米国の領土に接近した時に作動する。しかし、これはあくまで理論上の話で、実際に防衛が可能かどうかは全くわからない」と指摘している。