現在、米下院で与党民主党は過半数の219議席、野党共和党は211議席を占めている。
RCPによると、11月の中間選挙では下院435議席、上院34議席(3分の1改選)をめぐる争いとなる。そのうち、下院で過半数にあたる220議席で共和党がリード。一方バイデン政権の民主党は、現時点で選挙が行われれば180議席程度にしか満たないという。残る35議席をめぐっては五分五分の闘いとなっている。
一方、上院では共和党が47議席、民主党が46議席を確保(改選後勢力)するとみられている。残る7議席では激しい鍔迫り合いとなっているが、うち4議席では共和党がやや優勢となっている。
中間選挙をめぐっては、5日に産油国の協議体OPEC+が日量200万バレルの減産を決定したことが、バイデン政権への痛手になると報じられていた。
ウクライナ情勢をめぐる対露制裁を背景に、米国では燃料価格の高騰、インフレが国内問題になっている。このため、バイデン大統領は7月、サウジアラビアをはじめとする中東の産油国を歴訪し石油増産と市場価格の安定を訴えた。ところが、OPEC+による減産は一連の中東産油国との交渉が徒労に終わったことを意味する。
9月末に演説会場で8月に死去した議員を探す場面をみせるなど、ただでさえ高齢で物忘れが進み、指導者としての資質に疑問が呈されることの多いバイデン大統領。これに経済不況と外交的失敗が汚点として重なり、中間選挙で民主党は苦しい戦いを迫られるだろうと予想される。
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