正真正銘のロシア人将校
スロビキン氏はシベリアのノボシビルスク出身。軍事学校、アカデミーを卒業後、中隊、大隊、連隊、師団を指揮し、司令官として成長するためのすべての段階を踏んだ。参謀本部作戦本部長、東軍管区司令官を務めた経歴がある。第2次チェチェン戦争にも参戦。スロビキン氏の率いる師団が経験した戦闘の数は他を抜きんでいた。
スロビキン氏のシリアにおける働きは群を抜いていた。スロビキン氏の指揮のおかげでテロとの戦いは転換点に達することができた。厳しく、類のない決定をとる能力が称えられ、スロヴィキン氏は「ハルマゲドン将軍」の異名を得ている。
ウクライナにおける特殊軍事作戦の中で彼の指揮でリシチャンスク奪還の戦いでウクライナ軍は包囲され、殲滅。またセヴェルドネツクの奪還、アゾート工場の人質解放も成功している。スロビキン氏の指揮は厳しいことで知られているが、それでも軍の損失は最低限で抑えられている。
祖国に奉仕するために生まれた
スロビキン氏についての評価はここ最近のロシア人指揮官の中で最も高い才能を有すると押しなべて高い。
民間軍事会社「ワグネル」を創始したエフゲニー・プリゴジン氏はスロビキン氏を「ロシア軍の中で最も有能な指揮官」と呼んでいる。
「彼の人柄については一つはっきり言えることがある。スロビキン氏はレジェンド的な人物だ。彼は祖国に奉仕するために生まれてきた」
チェチェン共和国のカディロフ首長はスロビキン氏を指して、特殊作戦の行われているゾーンで状況を改善の方向へ導いていくことのできる人物と呼んでいる。
「経験の厚い戦士、強い意志を持ち、先を見通す力のある指揮官。こうした人間には愛国心、名誉、尊厳といった概念が何にも勝る意味がある」
有名な軍事記者のエフゲニー・ポッドゥブヌィ氏はスロビキン氏をおいてこのポストにふさわしい人物はいないと断言する。
ロシア国防相がウクライナにおける特殊軍事作戦の統一共同軍団の指揮官にセルゲイ・スロビキン将軍を任命することが明らかにされたのが10月8日土曜。統一共同軍団の指揮官のポストが設けられるとともに、スロビキン氏がこれに任命された。
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