先に開かれたOPECプラスの会合で、産油国は原油価格安定のため、日量200万バレルの減産に踏み切った。米国政府はこの合意形成に向けてサウジアラビア政府が展開したロビー活動を非難している。先にバイデン大統領は自らサウジアラビアを訪問し、減産に踏み切らないよう政府に強く呼びかけていた。
ホワイトハウスの報道官は、OPECプラスの決定を受け、サウジアラビアとの関係を見直す方針を明らかにした。報道官はOPECプラスの加盟国が減産に踏み切ったことでロシアへの連帯を示した形になったと評価した。
これを受け、連邦議会上院にはサウジアラビアへの兵器輸出を1年間にわたって禁止することを定めた法案が提出された。法案はリチャード・ブルーメンソール議員(民主党)が用意した。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相はテレビ局、アル・アラビアの取材に応じた中で、OPECプラスの減産決定は純粋に経済的な理由によると表明し、減産は全会一致で承認されたことを明らかにした。世界経済が低迷する中、産油国は市場の安定を目指しており、大幅な減産に踏み切ることで合意したと外相は説明している。
なお、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が消息筋を引用して報じたところによると、米国の政府高官らは中東の産油国に対し、減産の決定を一か月延期するよう要請していたものの、サウジアラビア側はこれを退けたという。報道によると、ブレント原油の価格が1バレルあたり75ドルまで値下がりした場合、米国はサウジアラビアから戦略的備蓄用として原油を輸入する考えを伝えたものの、米国側の要請は却下されたとのこと。WSJの消息筋によると、中東の産油国は西側諸国がロシア産原油価格の上限設定を目指していることについて、これを産油国全体に対する直接的な攻撃と受け止めているという。
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