スナク氏は首相就任直後からあらゆる機会に、英国のウクライナ支援は何も変わっていないと強調している。スナク氏が電話会談を行った最初の外国首脳は、ウクライナのゼレンスキー大統領だった。スナク氏は電話会談で、「ロシアの侵略」や民主主義の原則へのコミットメント、ウクライナへの変わらない支援など、すでに恒例となった決まり文句をすべて繰り返した。またベン・ウォレス国防相やジェームズ・クレバリー外相を留任させるというスナク氏の決定は、新首相が英国のアプローチを継続するという明確なシグナルとして意図された。
一方、Politicoによると、スナク氏はプロの経済学者であり、お金を数えるのが得意であるため、国民に向けた初めての演説で、経済の安定を中心課題とすることを約束し、支出削減という厳しい決断をするとの考えを示した。
ウクライナ政府筋はPoliticoに「スナク氏は、(英国の)防衛予算削減を除いて、欧州の防衛については事実上何も述べなかった。ウクライナ政府はこれを深刻に懸念している」と語った。
なお、実際のところスナク氏は英国の防衛予算に関する計画をまだ発表していないが、Politicoが予想しているように、来週予定されている重要な財政報告は、英国の財政に対する信頼を取り戻すために、防衛分野などで長期にわたる支出削減プログラムが始まるシグナルとなる可能性がある。Politicoは、スナク氏の優先課題は軍事力の増強ではなく、国の財政の安全となる可能性があると報じている。
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