中国政府、パンダ治療で台湾支援 軍事的緊張のなかでも

中国政府で台湾問題を扱う「国務院台湾事務弁公室」のマ・シャオグァン報道官は28日、中国が14年前に台湾に贈呈したジャイアントパンダの治療のため、中国本土から専門家を派遣すると明らかにした。台湾海峡をめぐる軍事的緊張が高まるものの、パンダに関しての協力はやぶさかではないようだ。
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治療を受ける予定のパンダは18歳のタンタン(團團)で、2008年に中国から台湾の動物園に送られた。9月にMRI検査を受けた結果、脳の病気が確認されたため、獣医師らは悪性脳腫瘍の可能性もあるとみて治療方法を探っていた。
マ報道官は次のように述べている

「中国ジャイアントパンダ研究保護センターは9月末に特別専門家チームを立ち上げ、台湾の動物園と連携を図ってきた。タンタンの健康状態を見守り、必要な技術的フォローをしてきた。そして10月27日夜、治療のために台湾へ専門家2人を派遣すると決定した」

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タンタンは中台関係の雪解けのなか、2008年に中国から台湾へ送られた2頭のパンダのうちの1頭。中国の胡錦涛・前国家主席は2005年、当時台湾の野党だった中国国民党の連戦党首の訪中を機にパンダ贈呈を提案した。
だが、台湾与党の民進党政権は「中国国内の動物園から別の動物園への移動」という中国側の提案が、台湾が中国の一部であることを示しているとして反発。馬英九政権になった後、交渉を経て贈呈者を「成都、四川省」、受取人を「台北、台湾」とする形で決着し、パンダの移送が実現した。
また、28日は日中国交正常化を記念して東京・上野動物園にパンダのカンカン(康康)とランラン(蘭蘭)が来園してからちょうど50年の節目。日本パンダ保護協会によると、現在日本では計10頭のパンダが飼育されている。和歌山県の「アドベンチャーワールド」に6頭、「上野動物園」に3頭、神戸市王子動物園に1頭となっており、飼育経験や繁殖技術などで日本は中国以外では最も優れているとされる。
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