自衛隊の「統合司令部」、24年にも始動 米軍との連携強化

日本政府は陸海空自衛隊の部隊運用を統括的にまとめる「統合司令部」と作戦を指揮する「統合司令官」を2024年にも創設する。29日、日経新聞が伝えている。日本が望ましからぬ台湾有事に向けて防衛力の強化に踏み切るなか、米軍との相互運用性を高める布石になりそうだ。
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日経新聞は、現行の3自衛隊を統合運用する組織「統合幕僚部」では、東日本大震災の災害派遣の際に、首相官邸への報告や米軍との調整に追われて部隊指揮に時間を割けなかったと指摘している。新設される「統合司令部」は部隊指揮や現場でのカウンターパートナーとなる米軍との調整役を一手に引き受け、政府との調整役の「統合幕僚部」との役割分担を果たそうというものだという。
8月のペロシ米下院議長の訪台をめぐる問題のように、台湾海峡における米中の対立は先鋭化している。中国の習近平国家主席は「平和的再統一をめざすが、武力行使は放棄しない」と強硬姿勢をみせており、米国防総省は2027年にも中国が台湾を武力奪取する準備を整えると警戒を強めている。
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こうしたなか、岸田政権はこれまでに今後5年間で防衛力の抜本的強化を目指すとしており、8月に明らかになった防衛省の2023年度予算概算要求は過去最大の約5兆6000億円となっている。
これまでに浜田靖一防衛相も、有事の際に敵の通信やレーダーを妨害する電子戦部隊を来年度にも与那国島に配備するとし、石垣島にも今年度中に陸自のミサイル部隊を置く方針を示している。また、対中有事を念頭に備蓄・補給面を強化するため、奄美大島(鹿児島県)に燃料タンクや火薬庫を増設する考えも明らかにするなど、沖縄を含む南西諸島の防衛強化に動いている。
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