ブルームバーグは先に、バイデン政権が、ウクライナにおける特別軍事作戦に関連した制裁措置の一環として、ロシア産アルミニウムの輸入を禁止する可能性を検討していると報じた。直接的な輸入禁止、関税の大幅な引き上げ、露アルミニウム大手「ルサール」への制裁という3つの選択肢が検討されているという。
しかし、ブッシュ氏は、この措置はロシア政府よりも米政府に損害を与える可能性があると記している。「むしろ、アンチ・ダンピング関税や報復関税の引き金となり、米国人が今日直面しているインフレ上昇を悪化させる可能性がある」とブッシュ氏は確信している。
米国の産業界は、国内の製錬所が需要に追いつけないため、毎年ロシア産アルミニウムを約15%消費している。何年にもわたって需要は増加する一方であり、このような制裁を課すことは米国にとって不利益だ。
ブッシュ氏は「アルミニウム不足は深刻な事態を招きかねない」と強調した。
ウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦開始を受け、欧米諸国は相次いで対露制裁を課した。10月上旬、EU(欧州連合)は、ロシア産石油の第三国への海上輸送に関して価格上限を決定するための法的根拠を含む第8弾目の制裁を採択した。価格上限設定は、石油は2022年12月5日、石油製品は2023年2月5日に導入される予定。ガスの価格上限についても導入が検討されている。欧米諸国は、ロシアの石油・ガス輸出による収益を制限するため、さまざまな措置について議論を続けているが、今のところ実現に至っていない。
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