11月1日には、日本政府も同じような措置を打ち出し、国民に対し、節電対策を呼びかけ、必要のない電化製品はスイッチを切り、部屋の暖房の設定温度を低くするなどの措置を講じるよう要請した。
「スプートニク」では以前、欧州は「凍死」の脅威にさらされながら、エネルギー危機に対処しようとしているという恐ろしい話題をお伝えした。住民たちは、電気料金の高騰により、暖房のためにかなり積極的に薪を利用するようになっており、これを背景に、現在、きわめて価値ある資源となった薪の盗難も引き起こされているという。このような話題はそれほど多くはなかったため、続きはこちらから読んでいただきたい。
お湯の節約がドイツ人にもたらしたもの
ハルツ地区の保健局は、飲料水の中にレジオネラが増殖していると警告した。当局のデータによれば、エネルギー危機によって、多くの人々が節約のためにお湯の設定温度を下げたために、人体に危険な菌が大量に発生したという。現在、給湯システムにおけるレジオネラ菌発生に関する情報はますます増えてきていると地区は伝えている。またヴィッテンベルク地区でも同様の問題が起きているという。
ハルツ地区の保健省は、有害な菌の被害はこの冬にさらに拡大するものと見ている。考えられる原因として、当局は、強化される経済措置、とりわけ、「消費者の行動変化による水の澱み」を挙げている。
一方、こうした中、ドイツ国内では、薪および暖房用品に対する需要が高まったことで、詐欺行為が横行している。架空の商店が、支払いを即座に済ませれば、安価ですぐ届けますという宣伝をしているのだが、実際には、支払いをしても商品は届かず、オンラインショップは問い合わせに応じない。ドイツ連邦警察は、このような店はサイトに偽住所を掲載したり、有名な薪販売のウェブサイトをコピーしたりしていると指摘している。
一方、ショッピングセンターやショップもガス価格高騰による節約を強いられている。電化製品店では、棚に陳列されたテレビのスクリーンは暗いままである。つまり、経営者たちは、こうまでして、電力消費を抑えようとしているのである。
寒い?暗い?我慢してください
概して、欧州では、地元政府が支持している、節電のためのいくつかの共通の措置がある。それは、街頭や電飾を制限する、新年のイルミネーションを取りやめるか縮小する、また部屋および給湯の設定温度を下げるなどといったものである。
たとえば、ポーランドの都市部で適用されている主な経済措置は、オフィスでの室内設定温度を下げ、照明を消し、街頭と記念碑へのライトアップを制限するというものである。また複数の都市では、職員をリモートワークにし、市民プールの温度設定を下げている。
ポーランドのブロツワフ市長は、「ポーランドは完全な危機状態にある。市民に対する基本的なサービス提供が脅威にさらされるほど状況が深刻なのは初めてのことだ」と述べた。
一方、イタリアの都市では、節電のため、街頭の点火時間を短縮することが決まった。ブレシア県では、地元政府の職員らが、来年4月7日まで、金曜と土曜は在宅勤務するよう呼びかけられている(節電目的)。
セルビアでは、8月末から電気節約のため、夜間、大統領府、政府、財務省の建物にライトアップされないことが決まった。住宅のエレベーターには、仕事が終わったらコンピューターの電源を切り、エアコンを理性的に利用し、「気候条件に合わせた」服装をするよう呼びかけるプラカードが掲げられている。
一方、チェコでは、太陽電池で動く街頭のテストが行われている。明るさはないが、かなりの節約になるのだという。
これより前、国際エネルギー機関は、冬を前に欧州は前例のないエネルギー危機に直面するだろうと警告している。ガスの使用はさらに13%削減する必要に迫られる。しかも、高いガス価格により、化学産業界をはじめとする一連の企業が生産を停止している。