「自らのエネルギー安全保障を心配する欧州のせいで、発展途上国のエネルギー貧困が生み出されている」
カボニッチ氏はこのように語り、欧州諸国は他国から資源を収奪したことで現在のエネルギー市場価格の高騰を招いたと指摘する。また、長期的な観点で見ても貧しい国にエネルギーを供給する機会を奪っているとしている。
ロシア産エネルギーを失った欧州は、より短期間で調達できる現物市場に向け急転回した。ある市場関係者によると、価格は急騰しており、南アジアから受けていた注文を断り、より高価格を提示する国に運ぶ者もいるという。
また、「ブルームバーグ」はこうした欧州をはじめとする西側諸国の行為により、発展途上国とロシアは接近しているとも指摘している。確かに、ロシアはパキスタンやインド、ミャンマーなど、西側諸国によって事実上市場から追いやられた国々への資源供給を活発化させている。
もちろん、欧州や米国もエネルギーの高騰や高インフレで苦しんでいる。西側の政治家やメディアは事あるごとに「ロシアが悪い」と指摘しているが、そもそも現在のエネルギー危機はロシア産資源を自ら拒否した結果だということを忘れてはならない。ロシアは西側諸国へのエネルギーの輸出を拒んでいないのだ。
こうしたなか、先進7カ国(G7)はエネルギー市場の価格を下げるため、12月初旬からロシア産石油の上限価格を導入し、他国にも参加を呼び掛けている。自らの行為で市場価格を混乱させ、自らが困り始めると他国に同調圧力をかける。こうした傍若無人な西側諸国の振る舞いに、第三世界の国々はいつまで耐えられるだろうか。
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