スロビキン将軍はさらに、敵はカホフスカヤ水力発電所の付近を浸水させようと計画していると指摘し、止むことのない砲撃がこれを裏付けていると述べた。ロシア軍はヘルソンでウクライナの戦闘員らに首尾よく反撃し、これにより目的の20%は達成された。ただしこのためにヘルソン市とその近郊の居住区では供給や都市の機能は十分には行われていない。
「この状況を全方面から評価すると、ドニエプル川左岸の防衛に従事するほうが得策だ。これが極めて安易ではない決定であることはわかっている。一方で我々は最も重要なもの、ロシアの軍人らの生命、そして全体として部隊の戦闘能力を維持できる。右岸の限定的な地区でこうしたの戦闘能力を維持する見込みはない」
スロビキン氏は、ロシアは人々を保護するために特殊作戦を開始したため、この原則に従わなければならないと指摘した。まさに人々を救うために、ロシアは住民を避難させた。現時点で約11万5000人が安全上の理由によりヘルソン州から避難した。
「今日、ロシアはもはやウクライナと戦っているのではない。規模もレベルもまったく異なる敵である北大西洋条約機構(NATO)ブロックを持つ集団的な西側がロシアに対峙している」
スロビキン氏によると、現在ロシアは特殊軍事作戦でプラン「B」を実行している。敵を疲弊させる精密攻撃を行う可能性を維持しながら、NATOや西側といった敵との前線を安定させている。
「現在、時間はロシアに味方している。ロシアはどんな犠牲を払ってでも結果を追い求めるようなことはしてはいない」
また、ウクライナへの軍事支援は低下しており、ウクライナ自体もロシアの高精度攻撃によってエネルギー危機に直面しており、これを受けて軍に効果的な補給を行うことができない状態にある。
スロビキン氏は10月19日、ヘルソンをめぐるロシア軍の行動は状況に左右されると指摘し、困難な決断を下す可能性も排除しなかった。