ユシコフ氏は、原油価格は2つの相反する要因に影響されると述べている。そのうちの1つは、世界的なエネルギー資源の不足、もう1つは、世界同時不況の危機だという。しかし、同氏によれば、世界市場における原油量の減少が、これらを上回る要素となるという。
ユシコフ氏は、「OPECプラス(石油輸出国機構の加盟国と非加盟国の産油国)は2022年11月1日から減産を実施している。世界市場での供給量は減少している。これが原油価格を押し上げるのだ。また、米国は石油戦略備蓄の放出量を減らしており、その量はますます少なくなっている」と指摘している。
ユシコフ氏はまた、欧州連合(EU)によるロシア産原油に対する制裁が12月5日に実施されると述べている。同氏は、「つまり、ロシア産原油を海路でヨーロッパに運ぶことが禁じられるということだ。問題は、ロシアがアジア市場への供給をタイミングよく、完全にできるのかということだ。それができなければ、ロシアの輸出は一部減少し、ひいては世界の石油供給量も減少することになり、市場を脅かすことになる。これも原油価格を押し上げる要因になる」と説明している。
この結果、原油価格は今後数ヶ月でさらに上昇するか、現在の高水準である1バレル95ドル(約1万3200円)程度を維持するかのどちらかになると同氏はみている。
OPEC(石油輸出国機構)は、少なくとも2045年まで世界のエネルギーバランスにおいて石油が支配的地位を占めるとの予測を発表した。
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