環球時報は専門家の話として、ポーランドでのミサイル着弾は西側諸国の分裂の新たな証拠となったとの分析を伝えている。
「激化した議論は、西側諸国間の深まった亀裂を露わにさせただけでなく、長引く危機への欧米の疲労感をも見せつけた」
また、米政府や欧州諸国のロシアに対するレトリックも、急転換していると指摘する。
「今回の彼らは、ミサイルがロシアではなくウクライナが発射したということを、いかにバルト諸国に納得させるかについてイニシアチブをとった。その間、ゼレンスキーは関与を否定していた」
結果的に、この「事故」は北大西洋条約機構(NATO)のロシアと直接対決しないという方針を試すものとなり、これによって紛争がさらに拡大する可能性は排除されたと記事は締めくくっている。
ポーランド・メディアは15日、2発の「ミサイル」がポーランド東部ルブリン県に着弾したと報じた。これにより民間人、2人の死亡が明らかになっている。ルブリン県はウクライナとベラルーシの国境と接している。ミサイル落下についてウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領はロシアを非難し、欧米に「行動を開始する」ように求めた。
しかし、ドゥダ大統領は16日、ポーランド当局は落下したミサイルはウクライナの防空システムによるものと推測していると明らかにした。ロシア外務省は、この事件に関するウクライナ政府の発言は「重大な挑発行為」であるとの見方を示した。
ロシア国防省は16日、現場から送られた写真映像を分析した結果、発射されたのはウクライナ軍が運用する旧ソ連製の防空ミサイルS-300だと断定した。
ゼレンスキー大統領は16日、ウクライナが関与したとは疑ってもいないと表明したものの、その翌日には発生したことについて100%の確信があるわけではないと言葉を濁していた。
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