ロシア外務省の公式サイトに掲載された声明で、ザハロワ報道官は次のように述べている。
「ウクライナ政権は乱暴で無責任な挑発によって、ザポロジエ原発での『火遊び』を続けている。少しの鎮静化した時期もあったが、ウクライナ軍は再び原発内への砲撃を行った」
また、西側諸国はウクライナに「白紙委任状(カルテブランシュ)」を与え、原発攻撃を黙認し、ウクライナによる犯罪に加担しているとも述べた。
「西側のスポンサーはまたもや偽善的な態度をみせた。原発に取り返しのつかない損害を与えようとする無謀な試みへの白紙委任状をゼレンスキーに与えている。事実上、彼ら(編注:西側諸国)はウクライナの犯罪の共謀者なのだ」
一方、国際原子力機関(IAEA)は同日、ザポロジエ原発の損傷度合いに関する調査結果を明らかにした。激しい損傷を受けているものの、重要な施設は破損しておらず、原子力安全に直ちにリスクを与えるものではないとしている。
ザポロジエ原発
ザポロジエ原発は、ソ連時代に建設された欧州最大の原子炉数と出力を誇る原発で、1984年に操業を開始した。ソ連崩壊後はウクライナが継承したが、2022年3月からロシア軍の保護下に入っている。
度重なるウクライナ軍による攻撃で原発の安全性に問題が生じたため、9月初旬、IAEAのグロッシ事務局長率いる調査団が査察。調査報告書では、原発の周辺を「安全ゾーン」とする必要性が訴えられているが、その後もウクライナ軍は原発敷地や周辺の町への散発的な攻撃を続けている。
10月のザポロジエ州のウクライナからの離脱・ロシア編入に伴い、新運営会社のもとロシア国内の基準に即した運転に移行している。
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