プーチン大統領は、2014年のウクライナでの国家転覆以来、ウクライナ政権によって迫害され続けていたドンバスの人々の思いやミンスク合意の実施の可能性などに触れ、次のように述べている。
「ルガンスクとドネツクについて、ミンスク合意に基づいてウクライナと統合するということで妥結する可能性を考慮していた。我々はその方向に進んでいた。だが、我々は人々の感情を完全には分かっていなかった。そこで何が起こっているか完全には理解していなかった。
でも今なら、この(編注:2地域とロシアの)再統合はもっと早くに行われるべきだったということは明白だ。そうしていれば、ここまでの民間人の被害はなかったかもしれない。ここまで子供たちが死ぬことはなかったかもしれない」
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が今年1月に公表した報告によると、2014年4月14日から2021年末までにウクライナ内戦に関連して死亡した民間人は少なくとも3404人にのぼる。2018年から2021年には381人が死亡しているが、そのうち81.4パーセントが、ウクライナ政府軍による激しい攻撃を受けた当時のドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の領域で死亡している。