IT・科学

日本も参加の露宇宙望遠鏡計画の今後は? ロシア「代わりは用意済み」

日本やスペインも参画で合意したロシアの宇宙望遠鏡開発計画「スペクトルUF」に関連し、ロシア科学アカデミーは両国が撤退する場合に備え代替となる機器を開発した。プロジェクトの責任者であるセルゲイ・ショスタク氏がロシアの国営宇宙開発企業「ロスコスモス」の機関誌「ロシアの宇宙」で明らかにした。
この記事をSputnikで読む
「スペクトルUF」はロスコスモスがスペインの参加のもと進める宇宙望遠鏡プロジェクト。2021年には日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)も参画することで合意している。

『スペクトルUF』にはスペインが積極的に参加し、日本も興味を示しているが、両国が参画を続けるかどうかは開かれた問題だ。ロシア科学アカデミーの天文学研究所は必要な機器の代わりを開発した」

また、米国や欧州連合(EU)の制裁によって購入不可になった外国由来の部品についても代替が見つかり、すでに契約を結んだとしている。
中国 独自の宇宙ステーション「天宮」へ飛行士3人を送り込む
「スペクトルUF」は2025年にロシア極東のボストチヌイ宇宙基地から打ち上げられる。高度35800キロメートルの軌道上を周回し、モスクワ周辺の宇宙基地にデータを送る。本格的な運用期間は5年を見込む。
地上の望遠鏡では観測できない紫外線スペクトルの領域を観測することを目的としており、その性能から米国のハッブル宇宙望遠鏡に近いものとされている。この望遠鏡で初期の宇宙、星の形成、銀河の進化、ブラックホールへの物質の落下プロセス、惑星、太陽系外惑星、彗星の大気などの研究が可能になるほか、生命誕生を知る手がかりとなる兆候の観測も試みるという。
関連ニュース
露科学者、「宇宙不妊」の原因を発見 未来の惑星間飛行に新たな課題
NASA 今後10年のうちに人類は月で滞在する
コメント