米国はインド太平洋地域における軍事力増強に間に合わなかった 米メディア

米ポリティコは、米国は中国本土が台湾侵攻の「可能性を検討さえしない」レベルまでインド太平洋地域における軍事プレゼンスを高めると約束していたが、一部の議員らはそれにはもう遅すぎると考えているほか、日本や韓国などの重要な同盟国は「中国の脅威」が発生した場合の米国の「信頼性」に疑いをもっていると報じた。
この記事をSputnikで読む
米国防総省のイーライ・ラトナー次官補(インド太平洋安全保障担当)は12月、来年2023年は「同地域の米軍の構造において最も重要な改革」の年になる可能性があると表明した。一方、共和党議員らは国防総省が約束した見通しに懐疑的な見方を示しているという。
中国は、航空機や弾道ミサイルに支えられた十分に大きな海軍を有しており、インド太平洋地域の海域における米国の支配に挑戦している。ポリティコによると、米下院軍事委員会に所属するドン・ベーコン氏は「個人的には、太平洋における力関係を我われにとって有利になるように変えるために私たちが十分迅速に動いているとは思えない」と述べている。
世界の多くの国々は米国に従うのではなく、自国の利益を追求するようになっている
ポリティコは、新型コロナのパンデミックに端を発し、ウクライナ紛争で悪化したサプライチェーンの混乱によって台湾への数十億ドル規模にのぼる武器供与に遅れが生じていると報じている。
またポリティコは、同地域の米国の重要な同盟国は「米国の支援は信頼できないと考えて中国の新たな侵略に備えよう」としており、これは日本や韓国の新たな防衛戦略が物語っていると指摘している。さらに専門家らは、同地域で大規模な紛争が発生した場合、日本と韓国には戦術データをリアルタイムに安全に送ることができる軍事分野のサイバーセキュリティ基準がないため、両国との調整に問題が生じる可能性があると述べている。
関連記事
米共和党、「中国の脅威に対抗するための」特別委員会を設置=共和党院内総務
【解説】アジア太平洋地域のリーダー争いは予測できない?
コメント