アルプス山脈、暖冬で雪ではなく草に覆われ、石や泥が見える

インドのニュースチャンネルWIONは、欧州で平年より暖かい気候が続いているのを受け、アルプス山脈の多くの部分が例年とは異なる景観を呈していると報じた。今冬、アルプス山脈の斜面は雪ではなく草に覆われ、石や泥が見えるという。
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雪不足は、スキー場の経営に打撃を与え、スキー愛好家は雪の斜面をさっそうと滑る喜びを奪われている。欧州では2022年から2023年にかけて記録的な暖冬となった。特に、スイスのアルプス山脈が暖冬による雪不足の打撃を受けた。例年であれば雪に覆われている場所に草や石、泥が見える。オーストリアやドイツの有名なスキー場でも同じような光景が見られているという。WIONによると、気候の専門家らは現在の記録的な高温について、地球温暖化と直接関係しており、地球温暖化がさらなる暖冬を引き起こすとの考えを示している。WIONは、アルプスの氷河が減少するにつれて、スキー場の赤字割合はさらに増加すると指摘している。
数年前、地球温暖化の影響でスイスの標高1000メートル未満のスキー場ではしばらくするとスキーができなくなると警告されていた。一方、今年すでに標高1500メートルのスキー場が閉鎖している。WIONによると、長期的展望においては非常に標高が高いスキー場でさえも運営を続けるためにはより頻繁に人工雪に頼らざるを得なくなることが新たな研究で示された。
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一方、専門家らは、人工雪を作ることで水の消費量が80%増加する可能性があると予測している。これはスキー場経営者と水力発電から生み出された電力を受け取っている地元住民との対立を引き起こす可能性がある。一方、人工雪を作るコストは、スキー料金の大幅な値上げにつながる。WIONはスキーについて、21世紀末までに非常に裕福な人だけが取り組めるものとなり、人気のあるスポーツではなくなる可能性があることを危惧している。
スプートニク通信は先に、気候変動の影響によって寒波に見舞われた米シアトルでは、車道、歩道、樹木、車が氷に覆われたと報じた。
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