現在、世界中でプラスチック素材のリサイクルは大きな問題になっている。すべての種類のプラスチックが新しいプラスチックにリサイクルできるわけではない上、再利用するたびに品質が劣化する種類も多く存在する。そのため、研究者らは、環境にやさしく、実用的なプラスチック廃棄物のリサイクル方法を模索している。
ケンブリッジ大学の研究者らは今回、プラスチックを太陽エネルギーでプラスチックを多孔性の炭に変換するシステムを開発した。このシステムを利用してポリスチレンと、トウモロコシの栽培で廃棄処分になる茎、葉、実のない穂軸などを混ぜ合わせると、土壌添加剤となる多孔性の炭が生成されるという。
この炭を熱水にさらしたものを土壌に添加すると、農地の保水性や通気性を向上させることができる。また、この炭は自然に分解されるため、土壌を肥やすこともできる。しかし、研究者らによると、この物質が実際の農業に有用かどうかを検証するためには、さらなる研究が必要であるという。
また、研究者らは、このシステムを使ってプラスチック廃棄物と温室効果ガスの二酸化炭素を効率的にグリーン燃料(合成燃料)とグリコール酸に変換することに成功した。合成燃料は人工的な原油とも言われており、クリーンな液体燃料として期待されている。一方で、グリコール酸は、化粧品業界で広く利用されている。
これよりも前、スプートニクは、ノルウェーの企業が液体ナノクレイ(粘土)を開発し、これを乾燥した土壌に散布することで、肥沃な土を作り出すことができたというニュースについて報じた。
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